皆さん、こんにちは。株式会社ウェルス・パートナー代表の世古口です。
目次
はじめに
本日のテーマは、「今年こそ始める!2024年の国内不動産投資ポイント解説」です。不動産は、金融投資と比べても金額が大きいですし、分割して投資できないので、投資するにあたり、腰が重い資産ではないかと思います。最初に国内不動産投資をするのにすごくパワーが必要ですし、重い腰がなかなか上がらない方もかなりいらっしゃるのではないでしょうか。
ここ数年、私たちのお客様や富裕層の方とお話ししていても、不動産投資をしたくても投資できていない方が結構いらっしゃいます。お会いしてから10年になる方も、不動産投資したいと言いながら、いまだ投資されていません。そのような方がいらっしゃるので、今回はこのようなテーマで、2024年の「今年こそ不動産投資を始める!」ということにフォーカスした内容をお話しします。また、2024年にどのような不動産に投資すればいいか、物件や条件のイメージもお伝えできればと思います。
国内不動産投資を始めるコツ
「今年こそ始める!」ということなので、まずは国内不動産投資をされたことがない方が始めるためのコツやポイントについて簡単にご説明します。ポイントは4つです。
ポイント①)投資効果とデメリットを天秤にかけて必要性を判断する
投資の効果とデメリットをしっかり天秤にかけて、必要性を判断することが必要であると思います。「今年こそ始めると言いながら、必要性を判断するの?」と思われるかもしれませんが、意外と必要ではない方もいらっしゃいます。保有資産の中に自宅などの不動産をたくさん持っている方や、そもそも不動産投資することに関するリスク許容度がそれほどない方、借入ができない方もいらっしゃるので、そのような方は、不動産投資の投資効果よりもデメリットの方が大きくなる可能性が高く、そもそも不動産投資する必要がないわけです。
投資効果とは、インカムゲイン(定期収入)やキャピタルゲイン(値上がり益)などです。また、保有しているだけでインフレ対策になるので、物価上昇の対策になっていることや、相続対策、借入して投資できるのでレバレッジ効果を高めるなど、いろいろな投資効果があります。
一方、デメリットとは、保有している資産が値下がりしたり、逆にデフレになったり、世の中の金利が上がり、借入コストが上がってしまうなどの金利上昇リスクなどです。いろいろと良い効果もあればデメリットもあるので、こういったところをしっかりと天秤にかけて検討する必要があります。
デメリットが大きいと思った場合、投資する必要はありません。絶対投資してくださいと言っているわけではありませんので、必要のない方は投資する必要はないと思います。
また、投資物件単体で考えるのではなく、資産配分上、ポートフォリオに不動産を入れた方がいいかを考えるのも大事です。国内不動産投資をしたいという、目的と手段が同じになっている方が多くいらっしゃいますが、投資効果を得るという目的があってポートフォリオに含んだ方がいいのかを判断する必要があります。ですから、物件に投資した方がいいかというより、「資産配分上、実物不動産の割合を増やした方がよいのではないか」「レバレッジをもう少しかけて投資効率を上げた方がいいのではないか」など、そのような資産全体の観点で不動産投資を検討し、必要性があるかを判断する必要があると思います。
ポイント②) 妥協できる条件を明確にして物件を探す
これも不動産投資されたことのない方にはありがちではありますが、皆さん、完璧な物件を探す傾向にあります。完璧な物件はなかなかありません。利回りが良くて立地が良くて新しく、丈夫な構造で利回りは5%、そのような物件はないのです。まずは、そのようなご自身の求める条件と、今の物件の相場が合っているのかを確認することも大事です。物件を探していくと大体分かってくると思いますが、そういう中で不動産投資をするために、どの条件は飲めてどの条件は飲めないのかを、物件を探していく中で明確にしていく必要があります。
ですから、利回りは高い物件である代わりに、立地は悪く物件の築年数は古いなどを許容したり、逆に、立地が良く資産性の高い代わりに、利回りはその分低くなり3%程度など、何が飲めて何が飲めないのかを明確にする、妥協できる条件を明確にして物件を探さないと、不動産投資はできません。
私も結構いろいろな物件に投資していますが、妥協しています。妥協して投資するのが不動産投資です。これは悪い意味ではなく、不動産は金融と違い、物がある分、人間なのでどうしても完璧を求めてしまうものです。そうすると、不動産投資はできません。完璧主義の人ほど、不動産投資できていないと思います。私のようにある程度ざっくりと大きく捉える性格の人の方が、意外とたやすく投資する特性があるのではないかと思います。少し悪い部分も含めて妥協できる、「これが不動産投資なのだ」と思って物件を探して投資するのが大事なのではないかと思います。
ポイント③)自分が住むイメージは捨てて投資と割り切る
これも、ありがちなことです。私にはこの感覚はありませんが、ご自身が住むイメージで物件を探される方がいます。それは少し違うかもしれません。一棟のアパートを買って、そこに住むわけではありません。中には住む方もいらっしゃるかもしれませんが、私がイメージしているのは富裕層の方なので違うと思います。ご自身が投資して他人が住むので、自分が住むイメージは捨て、投資と割り切る必要があると思います。
この物件は投資物件として良いと思うのですが、間取りがよくないとか、ベッドルームが気に入らないなどと言う方がいらっしゃいますが、そこに住むわけではないので、割り切ってください。自分は気に入らなくても、他の人、多くの人は良いと思う可能性があります。ご自身の強い固定観念は一旦捨て、客観的に見てその物件がいろいろな人にとって受け入れられる物件かどうか、借りたいと思う物件かどうかという観点で探すのが大事なのです。
不動産なので、好みはあってしかるべきかとは思いますが、ただ、自分が住むことを強くイメージし過ぎていると、それがネックになって投資が進まないことが結構あります。実際に内見して、この物件に投資しようと思っている方でも、私が住む家じゃないと言って投資されない方も中にはいらっしゃいますが、それは不動産投資ではないということです。ですから、ポイント2の妥協と共に、自分が住むのではなく、投資と割り切ることが重要かと思います。
ポイント④)忙しい方は信頼できるパートナーいないと難しい
初めて不動産投資する方かつお忙しい方は、信頼できる不動産投資のパートナーがいないと、投資を始めるのは難しいかもしれません。どちらかだけならば、自分だけでも結構できます。初めて投資する方で忙しくない方であれば可能ですし、不動産投資が2棟目や3棟目以降の経験者の方で忙しい方も可能です。このような方であれば、ご自身で物件を探して投資することができます。
しかし、初めてかつ忙しい方は、初めての投資で怖いですし、忙しくて時間もないので、しっかり物件を探して提案してくれて背中を押してくれる不動産のパートナーがいないと、投資までいくのは難しいです。これは、私の19年ぐらいの不動産投資を扱ってきた経験から間違いないと言えます。初めてかつ忙しい方で、本気で不動産投資をしたい方は、パートナーをしっかり見つけて提案してもらい背中を押してもらうのが、不動産投資を始めるコツではないかと思います。
初めてのことではあるので怖いと思います。特に不動産は金額も大きいですし、借入をするのが基本的な戦略になると思いますので、より腰が重くなります。以上のようなポイントを踏まえていただいた上で、物件を選んで考えて投資するのが大事です。
投資物件の条件イメージ
2024年に国内不動産投資する場合の、オススメの投資物件の条件イメージを見ていきましょう。このような条件に該当する物件であればオススメできますので、参考にしていただければと思います。ポイントは4つです。
ポイント1)都心好立地(賃貸需要高い駅から徒歩10分以内)
立地は大事です。どのような物件でも、立地が良ければ何とでもなるというところもありますので、立地は一番と言っていいほど大事かと思います。やはり都心、関東なら1都3県のわりと中心地が良いでしょう。都心好立地で、賃貸需要の高い駅から徒歩10分以内の物件がオススメです。
賃貸需要が高い駅というのは、新宿駅や東京駅などのターミナル駅とまでは言いませんが、新宿・渋谷・東京・上野・池袋などから電車で10分~20分以内の駅で、そこから徒歩10分以内程度の物件が基本的には良いと思います。そのような主要ターミナル駅の近辺でお仕事をされていて、そのわりと近くに電車で通える距離に住んでいる方には、その駅から徒歩10分以内の物件は、一番イメージに合うのではないでしょうか。そのような物件が、不動産の利回り収益性的にも丁度いい程度になっていますので、そういった物件を探していくのが基本的に良いと思います。
逆に、主要ターミナル駅に近く立地が良すぎると、利回りが下がり、表面利回りで3%ほどになってしまいますから、投資の観点からすると、都心の超好立地は避け、都心のほどほどの好立地物件が良いと思います。
ポイント2)築20年以内の一棟もしくは区分のRCマンション
いつの時代も変わりませんが、築20年以内の一棟もしくは区分のRCマンションがいいと思います。RCは物件の構造の中で一番頑丈ですし、さらに築20年以内の物件がオススメです。築年数によって借入の期間が大体決まってきます。20年以内であれば、それなりに長い借入期間を取れますので、この程度を目指すのが良いでしょう。古すぎると修繕や管理の手間も多くなるので、やはり築20年以内が基本的に扱いやすいと思います。
一棟と区分では、どちらがいいかと言うと、資産規模によります。資産規模が大きく、純資産で数億円~5億円以上お持ちの方は、一棟の物件に投資してもいい資産状況、資産背景ではないかと思います。純資産ベースで2億円以下の方などは、区分マンションにした方が、リスク許容度的には適切ではないでしょうか。
ポイント3)表面利回り4.5%(実質利回り3.5%)以上
3つ目は収益性です。先ほどお伝えした、都心好立地、賃貸需要が高い駅から徒歩10分以内というイメージだとすると、表面利回りで4.5%、いろいろと管理費や修繕積立金などを引いた後の実質利回りベースで3.5%以上というのが、適切な表面・実質利回り目標かと思います。
ポイント4)借入比率50%~60%、金利0.8%~1.8%を目指す
4つ目は借入の条件です。お付き合いのある銀行との濃度によっても結構変わってきますが、大体の相場観では、借入比率は50%~80%を目指すと良いでしょう。これは、頭金比率とコインの裏表と考えていただければと思います。例えば、借入比率80%の場合、頭金は20%です。
金利は0.8%~1.8%程度を目指すのが適切と考えます。結構幅がありますが、銀行によって異なり、借入比率が低い50%の銀行ほど、低い金利で貸してくれることが多いです。借入比率が50%の場合、金利0.8%で借りられることもありますし、借入比率80%まで貸してくれる銀行は高い金利、1.8%程度の金利になることが多いです。借入比率と金利は、逆相関になっていると考えていただくのが適切ではないかと思います。
私たちのお客様の事例でも、事業会社オーナーで銀行と融資の取引がある方は、結構スペシャルタームが出ることもあります。借入比率が70~80%と高くても、金利は0.8~0.9%と非常にいい金利で借りられることがあるようです。ですから、銀行との付き合いが本業である方、融資実績がある方は、不動産投資の方もスペシャルタームが出る可能性があるので、そのようなご縁は大事にしておくと良いでしょう。
ウェルス・パートナーは不動産投資に関する無料のご相談も承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
本日は「今年こそ始める!2024年の国内不動産投資ポイント解説」という内容でお届けさせて頂きました。
株式会社ウェルス・パートナー
代表取締役 世古口 俊介
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。
2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者1万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
メディア掲載情報:「m3.com」「ZUU online」「MONEY zine」「マネー現代」でコラムを連載中