投資をする前に知っておきたい外国債券投資の基礎知識

はじめに

外国債券投資に初めて挑戦する方にとっては、為替の変動などリスク要因が不安材料となり、投資のハードルが高いと感じるかもしれません。しかし、外国債券投資はリスクとリターンのバランスが取れた魅力的な投資対象です。本記事では、外国債券投資の基礎知識と投資のコツについて解説します。外国債券投資のメリットやリスク、運用のポイント、今後の為替動向についても紹介します。富裕層の方々が外国債券投資を始めるきっかけになれば幸いです。

外国債券投資のメリットとは

外国債券投資には以下のようなメリットがあります。

特に、安定した収益が期待できる点は大きな魅力といえるでしょう。

安定した利回りと収益の可能性

外国債券は、国内債券に比べて金利が高い傾向があります。このため、安定した高い利回りが期待できるという特徴があります。
例えば、10年国債の利回りを比較すると、日本は0.821%、米国は4.911%、オーストラリアは4.755%と大きな差があります(2023年10月19日午前9時現在)。
単純に利回りだけを比較しても、外国債券は魅力ある投資対象といえるでしょう。

為替差益を得られる可能性

外国債券は、投資対象国の通貨が、将来的に上昇した場合は円安となって、為替差益を得られる可能性があります。

逆に、円高になると為替差損が生じますが、外国債券は総じて金利が高いために、「一定の円高水準」までであれば、金利が為替差損を帳消しにしてくれます。

これは、債券の利率が決まっており、保有期間が長くなるほどインカムゲインが積み上がるためです。

この点を考えても、外国債券の高い利回りは大きな魅力といえるでしょう。

外国債券投資のリスクと対策

外国債券投資には以下のようなリスクが存在しますが、適切な対策を講じることでリスクを大幅に減少させることができます。

為替リスクとヘッジの重要性

外国債券投資では、為替レートの変動により為替差益や損失が発生する可能性があります。この為替リスクに対しては、ヘッジ商品を活用したり、専門家のアドバイスを得ることでリスクを制限することができます。

また、投資信託の中には、あらかじめ為替リスクをヘッジした商品もあります。

為替リスクをヘッジした投資信託は、為替リスクを避けられる一方で、パフォーマンスのブレが小さくなります。

【参考】外国債券インデックスのパフォーマンス比較(為替ヘッジ有/無)

このため、為替リスクをヘッジした商品は、安定運用を好む方に向いています。

発行体の信用リスクと信用格付け

外国債券には、発行体の信用リスクがあるため「格付け」をチェックすることが重要です。

格付けとは、債券の元利金支払い能力を「格付会社」が評価して、アルファベットで表したものです。

債券は、一般的に格付けによって利回りが異なり、格付けBBB以上が「投資適格格付け」、BB以下は「投機的格付け」とされています。


画像引用元:https://www.daiwa.jp/seminar/study_products/bond_special/rating.html
ただし、格付けは発行体の信用リスクを客観的に評価したものなので、あくまで投資リスクを測る尺度の一つと考えることが大切です。

政治リスクと経済リスクの考慮

外国債券投資では、投資対象国や地域の政治情勢や経済状況によるリスクも考慮する必要があります。政治的な不安定要因や経済の低迷、自然災害などによって、投資への影響が出る可能性もあるため、情報収集と分析が重要となります。

特に最近では中東の地政学リスクに注意すべきでしょう。

外国債券投資の運用のコツ

外国債券投資を成功させるための運用のコツをいくつかご紹介いたします。

国・地域の経済情勢と政策の分析

投資先の国や地域の経済情勢や政策を分析することで、将来の為替や金利の動向を予測しやすくなります。専門家の情報を活用するだけでなく、自身でも情報収集を行い、冷静な判断をすることが重要です。

また、戦争や経済不安など、世界的にリスクが高まるにつれ、安全資産と呼ばれる米国債が注目される点も覚えておきましょう。

発行体の財務状況と信用評価の確認

外国債券の発行体の財務状況や信用評価を確認することで、リスクの低い投資先を選ぶことができます。信頼できる信用格付機関の情報を参考にすることで、より正確な判断ができるでしょう。

なお、世界的に有名な格付機関としては、米国系のムーディーズやS&P、欧米系のフィッチ・レーティングスなどが挙げられます。

為替市場のトレンドとテクニカル分析の活用

為替市場のトレンドやテクニカル分析法を活用することで、為替の動きをより的確に読み取ることができます。チャートの分析や過去のデータを活用して、将来の為替動向を予測することができます。

ただし、為替市場のトレンドを知り、テクニカル分析を行うには専門知識が必要です。資産運用のプロにアドバイスを求めるのもよいでしょう。

外国債券投資の始め方と注意点

外国債券投資を始める際の始め方と注意点をいくつかご紹介いたします。

アドバイザーの選定と手続きの確認

外国債券投資は専門知識が必要なため、信頼できるアドバイザーを選ぶことが重要です。IFA(資産運用アドバイザー)などプロに相談しながら、投資の手続きを確認しましょう。

ポートフォリオのバランスとリスク分散

外国債券投資だけでなく、他の資産クラスとのバランスを考えながらポートフォリオを組むことが重要です。資産クラスを分散することで、利益を追求しながら資産全体のリスクを軽減することができます。

【参考】外国債券を組み入れたポートフォリオ例

また、時間の経過とともに、ポートフォリオで決めた資産配分が崩れることがあるため、一定期間ごとに資産配分の見直しとリバランスを行うことが大切です。

また、時間の経過とともに、ポートフォリオで決めた資産配分が崩れることがあるため、一定期間ごとに資産配分の見直しとリバランスを行うことが大切です。

現地情報の収集と市場動向の追跡

外国債券投資は、投資先国や地域の情報収集が欠かせません。現地の経済情勢や政治情勢、金利政策などについての情報を収集し、市場動向を追跡することが重要です。

最近では、ネットやSNSでマーケットの情報が得られることから、ぜひ積極的に情報収集を行い資産運用に活用していくべきでしょう。

今後の為替動向

為替市場は予測が難しく、為替の動きによって投資結果が大きく左右されることもあります。このため、外国債券投資を始める前に、将来の為替動向を予測するための情報収集を行うことが大切です。

なお、直近では米国で金利の先高感が強まっており、今後も為替動向に大きな影響を与えるものと思われます。金融政策を決めるFOMC(連邦公開市場委員会)など重要なイベントを注視していく必要があるでしょう。

まとめ

「投資をする前に知っておきたい外国債券投資の基礎知識」について紹介してきました。
外国債券は、保有することで定期的にインカムゲインを得られるだけでなく、資産の安定運用にもつながります。

また、ポートフォリオへの組み入れ比率を変更することで、マーケット状況の変化に対応できるなど、柔軟な資産運用を可能にしてくれます。

株式会社ウェルス・パートナーでは、実績豊富なIFAが無料個別相談を承っております。外国債券投資に関するアドバイスも行っていますので、ぜひ気軽にお問合せください。

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