目次
はじめに
資産運用において、債券は安定性や収益性を求める上で重要な投資商品の選択肢となります。しかし、債券は複雑でさまざまな商品が存在するため、その特徴や適切な保有期間、リスク管理などについて正しく理解することが必要です。そこで、本記事ではIFA(資産運用アドバイザー)が債券の種類について詳しく解説し、個々の債券についての特徴や適切なポートフォリオ構築の方法をご紹介します。債券投資において重要なポイントや注意点を解説しますので、資産運用に関心をお持ちの方々のお役に立てれば幸いです。
https://note.com/fujimura_wp/n/ncb021f319d8b
債券投資の重要性と基本知識
債券投資の意義とメリット
債券投資は、資産を預けた債権者(投資家)に、利息支払いや元本の返済を約束する金融商品です。投資するメリットは、債券が一般的に安定性が高く、定期的な利息収入を得られるため、資産運用の安定性や収益性を高めることが期待できる点です。
債券投資を行うには、債券の基本的な仕組みや特徴として、発行者と投資家の関係、利払いや償還期間などを理解することが重要です。
債券の種類と特徴
債券には様々な種類があります。普通社債は通常の債券であり、弁済の優先度が高く、定期的な利息収入が期待できます。一方、劣後債や永久劣後債は弁済の優先度が低く、リスクが高い代わりに利回りも高めです。このうち、永久劣後債は満期自体が存在せず、期限前償還条項が付された債券です。CoCo債は、一定の条件を満たすと持ち株に転換、受取株式価格の低迷により債券の利回りが低下するといった特徴を持ちます。債券の利回りとリスクの関係性を理解し、ライフプランに合った債券を選択することが重要です。
画像引用元:https://note.com/fujimura_wp/n/ncb021f319d8b
普通社債
民間企業が資金調達のために発行する債券です。発行企業が倒産しない限り満期まで定期的に利息が支払われ、満期時には額面金額で償還されます。
劣後債
普通社債に比べて、企業が倒産した際の弁済順位が遅い(劣後する)債券です。企業が倒産した場合、まず普通社債保有者に弁済され、残余財産が劣後債保有者に弁済されます。弁済順の優先度が劣るため、利回りが高いという点が特徴です。
永久劣後債
劣後債の中でも、満期が定められていない債券のことです。満期が定められていないため、期限前償還条項が付されています。期限前償還条項とは償還するか、償還をスキップするか発行体の判断で決めるという条項です。償還のタイミングが発行体の判断で決まるため、使途や必要な時期が決まった資金の運用には不向きです。
CoCo債
CoCo債は、永久劣後債までのリスクに加え、CNET1トリガー(※)リスクが上乗せされた債券です。自己資本比率が基準を下回るなど、あらかじめ定めた条件に抵触すると、元本の一部またはすべてが削減されたり、強制的に株式へ転換されたりする条項が付されているのが特徴です。
CoCo債は、おもに金融機関が自己資本増強のために発行する転換社債で、リスクが高い反面、利回りも高いため、富裕層の間で人気の投資対象となっています。
※CNET1トリガー : 金融機関の自己資本のうち、純粋な自己資本(株式発行により調達した資金や内部留保)が占める割合、すなわちCNET1比率が一定水準を下回ると、投資元本が毀損もしくは株式へ転換される可能性があると定められた条項。
債券の利回りとリスクの関係性
一般的にリスク(信用リスク)の高い債券は利回りが高く、リスクの低い債券は利回りも低くなります。
債券のリスクを判断するのに参考となるのが格付けです。
格付けとは、格付会社が債券発行体の債務支払能力をもとに、信用力をアルファベットで評価したものです。投資判断の際には必ずチェックするとよいでしょう。
画像引用元:https://www.smbcnikko.co.jp/products/bond/global/point.html
債券ポートフォリオの構築とリスク管理
債券投資においては、適切なポートフォリオを構築することが重要です。本記事で紹介した債券の種類と特徴を参考に、自身のリスク許容度に応じてポートフォリオを構築しましょう。
債券投資の適切な保有期間とリターンの見込み
債券投資は、適切な保有期間とリターンの見込みを考慮して行う必要があります。
まず、新発債を償還まで保有する場合は利率が決まっているため、利率×償還までの年数がリターンになります。
これに対し、債券を中途で売却する場合は、「所有期間利回り」でリターンを計算します。
例えば、表面利率4.0%の債券を額面100円につき96円で購入して、3年後に99円で売却した場合の所有期間利回りをみてみましょう。
以下の通り、所有期間利回りは年間約5.2%、保有期間の3年でおよそ15.6%程度のリターンが得られることになります。
このように、債券は保有期間とリターンの見込みを考慮し、キャピタルゲインを狙うことで、短期間でも大きな収益を上げられる可能性があります。
ポートフォリオのリスク分散とバランスの重要性
資産運用において、適切なポートフォリオを構築してリスク分散を図ることは何よりも重要です。
ポートフォリオを構築する際は、投資資産のリスク度合いと予想リターンを考慮し、最適なバランスを保つ必要があります。
また、定期的に運用状況をチェックして、資産の入れ替えやリバランスを行うことも大切です。これは、保有資産の価格が変動することによって、最適な資産配分バランスが崩れてしまうためです。
まとめ
IFA(資産運用アドバイザー)は、債券投資において専門的な知識と経験を持ち、個々のニーズに合わせたアドバイスを提供する専門家です。資産運用においては、IFAのサポートが大きく役にたつことでしょう。是非、IFAとの相談やアドバイスを活用しながら、資産運用における債券投資を行ってみてはいかがでしょうか。
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