債券の格付けとは?見方と注意点を解説

はじめに

債券の格付けとは、債券発行体の信用力を評価するものです。投資家にとって債券の格付けは、債券発行体が債務を履行できるかどうかを判断する重要な指標となります。

債券の格付けは、投資家にとって重要な情報です。債券発行体が債務を履行できる可能性が高いほど、その債券の格付けは高く評価されます。そのため、債券の格付けが高い債券は、債券の格付けが低い債券よりも、投資家から高い評価を受けるのです。

この記事では、格付けの見方と債券を選ぶ際の注意点について解説します。

債券とは

債券とは、国や地方自治体、企業などが資金調達のために発行する有価証券です。債券を購入すると、発行体は利子を支払い、償還日には額面金額を払い戻します。債券はいつでも売買できますが、時価が変動するため、額面金額よりも高くなることも低くなることもあります。

債券は償還日まで保有していれば安全ですが、償還日前に売却すると元本割れのリスクがあります。また、発行体の経営悪化や倒産などにより、利払いが滞ったり、投資元本が償還期限を割り込んだりすることもあるため、信用格付などで安全性を確認することが重要です。

債券の種類は、発行体や償還期間によって異なります。以下に、主な債券の種類を紹介します。

国債:国が発行する債券で、最も安全な債券とされています。
地方債:地方自治体が発行する債券で、国債に次いで安全な債券とされています。
社債:企業が発行する債券で、国債や地方債に比べるとリスクが高いですが、利回りが高い傾向にあります。

債券は比較的安全な資産であり、利回りが高いというメリットがあります。しかし、発行体の経営悪化や倒産などのリスクがあることを忘れてはいけません。投資を行う際には、十分なリスクを検討し、自分の投資目的に合った債券を選ぶことが大切です。

債券の格付けの見方

債券の格付けは債券の信用力を評価するものです。格付けが高いほど、債券の発行体が債務を履行する可能性が高くなり、格付けが低いほど、債券の発行体が債務を履行する可能性が低くなります。

一般的に、格付けが高いほど利回りは低く、格付けが低いほど利回りは高くなります。これは、格付けが高い債券はリスクが低いため、投資家がより低い利回りで満足するからです。一方、格付けが低い債券はリスクが高いため、投資家がより高い利回りを要求します。

BBB格以上は比較的信用力が高いとされる「投資適格格付」、BB格未満は信用力が低いとされる「投機的格付」とされます。投資適格格付の債券は発行体が破綻する可能性が低いため、比較的安全な投資とされています。一方、投機的格付の債券は発行体が破綻する可能性が高く、リスクの高い投資とされています。


出典:大和証券

債券の格付けの注意点

「投資適格格付」とは、発行体が破綻する可能性がないことを保証するものではありません。また、「投機的格付」の債券に投資してはいけないということでもありません。

これは、格付けがあくまで「相対的な信用の位置づけ」を示すものであるためです。つまり、格付機関が提供するのは民間格付け会社の意見であり、その意見には必ずしも異論がないわけではありません。実際、同じ債券であっても、格付機関によって格付けが異なる場合があります。

債券の格付けは、投資家が債券を選ぶ際に重要な指標ですが、格付けだけを見て投資するのは危険です。格付けはあくまで参考情報であり、投資を行う際には、その他の要素も考慮することが重要です。例えば、債券の金利、償還期間、発行体の財務状況などが重要な要素となります。また、経済状況や政治情勢などの外部要因も、債券の価値に影響を与えることがあります。

投資にはリスクがつきものですが、十分な情報収集と分析に基づいた投資を行うことで、リスクを最小限に抑えることができます。債券投資も同様であり、格付けだけでなく、その他の要素も十分に考慮して、賢明な投資を行いましょう。

債券のお取引にあたっての手数料等およびリスクについて

債券を買う場合は、発行体や証券会社に直接購入対価(取引価格×数量)を支払います。ただし、購入対価に経過利息が含まれることもあります。

外貨建て債券を売買、償還する場合、円貨と外貨を交換したり、異なる外貨間で交換したりする際には、外国為替市場の動向に応じて当社が決定した為替レートを使用します。

格付けで判断できるのは、債券の信用リスクです。発行体が倒産するなどして、元本の返済や利息の支払いができなくなる可能性があります。これが「信用リスク」です。発行体の利払い・元本返済能力の信用力を判断するには、債券の格付けを参考にします。

債券には、その他に「価格変動リスク」「為替変動リスク」「途中償還リスク」があります。中途売却の場合は、市場価格(時価)で売却する必要があります。市場価格が購入価格を下回り、売却損が発生する可能性があります。これが「価格変動リスク」です。特に、満期までの残存期間が長くなるほど、市場価格の変動が大きくなる傾向があります。

満期まで保有した場合に生じるリスクは「信用リスク」だけですが、満期の途中で売却した場合には、「価格変動リスク」「信用リスク」の両方が生じることになります。
また、外貨建て債券は、円ではなく別の通貨で発行された債券です。外貨建て債券を購入する場合は、「為替変動リスク」に注意が必要です。為替変動リスクとは、外貨の価値が変動することで、円に換算した受取額が異なるリスクです。

例えば、100ドルの外貨建て債券を購入した場合、円高が進行すれば、円に換算した受取額は減少します。逆に円安になれば、円に換算した受取額は増加します。

さらに、外貨建て債券は、発行体により中途償還される場合があります。中途償還とは、発行体が債券の償還期限に達する前に、債券を償還することです。中途償還がされると、利回りは当初の予定よりも高くなることもありますが、低くなることもあります。

外貨建て債券は、円建て債券よりもリスクが高い一方で、利回りも高くなる可能性があります。外貨建て債券に投資する際には、為替変動リスクや中途償還リスクを十分に理解した上で、投資を行う必要があります。

【参考記事】
SBI証券 債券のリスク

まとめ

債券とは、国や地方自治体、企業などが資金調達のために発行する有価証券です。債券は比較的安全であり、償還期限まで保有すると利回りが期待できます。

債券の格付けは、債券の信用力を評価したもので、格付けが高いほど利回りは低く、格付けが低いほど利回りは高くなります。ただし、債券の格付けはあくまで参考であり、投資を行う際には他の要素も考慮することが重要です。

また、債券には価格変動リスク、為替変動リスク、中途換金リスクなどがあり、これらのリスクを理解したうえで投資するようにしてください。

<ご注意事項>
・当社の所属金融商品取引業者等は株式会社SBI証券、エアーズシー証券株式会社です。
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加入協会:日本証券業協会

債券に関するご注意事項
(1) 個人向け国債
個人向け国債を募集により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
個人向け国債は、原則として、発行から1年経過すれば中途換金が可能です。なお中途換金する際、原則として「直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」の中途換金調整額が、売却される額面金額に経過利子を加えた金額より差し引かれます。ただし、発行から一定期間の間に中途換金する場合には、中途換金調整額が異なることがあります。
(2) 円貨建債券
円貨建債券を募集・売出し等又は各金融商品取引業者との相対取引により売買する場合は、その対価(購入対価・売却対価)のみを受払いいただきます。
債券の価格は、市場の金利水準の変化に対応して変動しますので、償還前に換金する場合には、損失が生じるおそれがあります。
(3) 外貨建債券
外貨建債券を募集・売出し等又は各金融商品取引業者との相対取引により売買する場合は、その対価(購入対価・売却対価)のみを受払いいただきます。
外貨建債券を円貨で購入される場合、為替取引には為替スプレッドがかかります。
外貨建債券の利金・償還金の円貨での受取を指定した場合、為替スプレッドがかかります。
外貨建債券の途中売却は、外貨決済のみの受付となります。
外貨から円貨への為替取引には、各金融商品取引業者の定める為替スプレッドがかかります。為替スプレッドについては各金融商品取引業者のWEBサイト等をご確認ください。 。
債券の価格は、市場の金利水準の変化に対応して変動しますので、償還前に換金する場合には、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営、財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込むことがあります。詳しくは「外国証券の国内店頭取引について」及び「公社債の売買取引について」をご覧ください。
外貨建債券は、為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。
詳しくは、各金融商品取引業者のWEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。

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