会社売却後の資金は何に使うのか?5つの方法をご紹介

はじめに

会社売却の目的は、経営者の年齢によって大きく異なります。

さらに、その創業者やオーナー社長が会社売却時に手にする売却益の使い道も、若年層の早期リタイアであるのか、後継者に道を譲るシニア層のリタイアであるのかによって選択肢はさまざまです。

この記事では、売却益の主な使い道をご紹介します。会社売却を検討中の方や、売却益の使い道に迷っている方は、ぜひ参考になさってください。

「貯金」という選択

使途がまだ定まっていない方や、さらなるステージへ向けて準備段階である若い経営者の方は、取り敢えず貯金しておくと良いでしょう。

会社の売却となると、ある程度まとまったお金を手にするわけですが、浪費せずに貯金しておくという考え方は、若い経営者の方には特に重要といえます。

やりたいことが見つかった時に資金として使えるよう残しておきましょう。

既婚の女性経営者の中には、いったんは会社を売却し、出産・育児などが落ち着いた時点で、貯金しておいた売却益を元手に新たな事業にチャレンジする方もいます。

「投資」という選択

後継者が見つからなかったり、経営自体に興味がもてなくなったりした経営者は、会社売却で獲得した大金を金融商品などに投資するケースが多いです。

不動産投資でマンションなどを購入し家賃収入を得て利益を得る方法や、ヘッジファンドに投資してリスク管理を行いながら利益をあげる方法など、さまざまです。

ファイナンシャルアドバイザーや資産運用コンサルティングなどに相談しながら、効果的な資産運用をすることで、さらに大きな利益を生み出す可能性もあります。

「相続対策」という選択

会社売却をする際の年齢にもよりますが、財産を残す方法として生命保険を活用するケースもあります。老後の生活資金に余裕がある場合、将来の相続を視野に入れて売却益の使い道を考えなければなりません。

法定相続人である子どもに平等に死亡保険金を残せるよう終身保険に加入すれば、相続トラブルを回避できます。
また、支払う保険料総額よりも多くの額を資産として遺せる点でもメリットといえるでしょう。

「セカンドライフ」という選択

 会社経営以外にやりたいことがあるオーナー社長は、売却益を資金にしてさまざまなことにチャレンジできます。資格を取得したり、海外の大学に留学したり、全く別の業界に挑戦したりできるのです。他業界から飲食業へ挑戦するケースもあります。

 また、コロナ禍のリモートワークの普及を機に働き方改革は進み、地方へ移住する考え方が広まりつつあります。このトレンドは世界的なもので、特にニューヨークでは、家賃の高いマンハッタンを離れ、郊外へ移住するケースが増えています。

日本でも、会社売却を機に、故郷でのセカンドライフを望む経営者の方が年齢を問わず見受けられます。地方の古民家を購入し農作業しながら収穫を待ち望む暮らし、海辺の町に移り住み釣りを楽しむ生活は、人生を豊かなものとしてくれるでしょう。

それなりの大きな売却益を得た場合は、自然の中で、さらなるステージへのイメージを膨らませる良い機会にできるかもしれません。

「自己投資」という選択

 後継者不在で会社を売却し、すでに十分な資産を築き上げている経営者の方は、売却で得た利益を主に自己投資に使われることが多いようです。新たな事業にチャレンジする必要もなく、ゆっくり海外旅行を楽しんだり、趣味の車を何台も所有したり、食べ歩き、ゴルフ、温泉巡り、ブランド品の時計や骨とう品の収集など、長年頑張ってきた自分へのご褒美として消費するという選択も良いでしょう。

「老後の資金」という選択

 シニア層の経営者に多い売却益の使い道は、老後の生活費などに充てるものです。シニア層となると、生活費だけでなく健康面や住居面も考慮しなければなりません。

近い将来の入院・介護・長期療養に掛かる費用、一軒家から管理が楽なマンションへの転居、有料老人ホームへ入居する費用などです。老人ホーム入居時の一時金は大きな出費となります。タイプによって金額に差はありますが、数千万円に上るところもあります。

まとめ

必ずしも売却益の使い道を決めてから会社売却に至るわけではないでしょう。会社売却に踏み切る理由は、その時の年齢によってさまざまです。売却後の利益が大きければ大きいほど、使い道の選択肢は広がります。

新しいことにチャレンジしたい場合は、より良い買い手に売却できるよう、早期に準備を始めると良いでしょう。

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