2019
02/25
最終更新日:2019/02/26

1.はじめに

株式投資は個人の資産運用において中心的な役割を担っています。株式投資では投資する企業の業績や成長性を見極められなければ上手くいきません。投資する企業の選定はどのように行えばよいのでしょうか。

2.企業選定のポイント

株式投資の企業を選定するにあたってはどのような点に注目するべきか。企業選定の5つのポイントをご紹介します。

(1)成長性があるか

長期目線で株式投資をする場合、企業の成長性は大切な指標となります。成長性を図る代表的な指標を2つご紹介します。

①売上高成長率

売上高成長率は売上高増加額÷基準日時点の売上高で算出します。
売上高成長率は、売上高がどれくらい成長しているかを示す指標です。

売上高成長率を見るときの重要な点は「競合他社と比較して高い成長率を維持できているか」です。売上高が20%伸びていても、業界全体で30%売上高が伸びていればその企業のシェアは落ち込んでいることになります。

②総資産成長率

総資産成長率は総資産増加額÷基準日時点の総資産総額で算出します。
総資産成長率は総資産がどれくらい増えているかを示す指標です。売上高と総資産がバランスよく成長している企業が持続的に成長していける可能性が高い企業です。

(2)現在の価格は割安か

いくら成長性の高い企業であっても、値段は上下に動きます。割安水準の時に購入をしなければ株式投資では利益は出ません。企業が割安かを示す代表的な指標である「PBR」と「PER」をご説明します。

①PBR(株価純資産倍率)

PBRは株価が純資産の何倍かを示す指標です。
PBRは株価÷1株あたり純資産で算出され、資産の観点から企業が割安かどうかを判断する指標です。PBRは低ければ低いほど割安とされています。

②PER(株価収益率)

PERは株価が純利益の何倍であるかを示す指標です。PERは株価÷1株あたり純利益で算出され、利益の観点から株価が割安かを示す指標です。例えば株価が1,000円、1株あたり純利益が100円の場合PERは10倍となります。PERは低ければ低いほど株価が収益に対して割安とされています。

(3)収益率は高いか

収益の最大化を目指す企業にとって「収益性を高く保てているか」は重視な要素です。収益率はROE(自己資本当期純利益率)で算出します。ROEは当期純利益÷株主資本で算出され、株主資本をもとにどれだけ高い収益をあげたかを示す指標です。

(4)会社独自の強みはあるか

成長率等の指標がよくても、誰でも真似ができるビジネスモデルであればすぐに真似をされ、追いつかれてしまいます。真似をされにくいビジネスモデルは以下のようなものがあります。

①参入障壁が高く競合他社が生まれにくい

②圧倒的シェアを誇っており、規模の面で優位に立っている

③ブランド力があり特定の層に強い支持を受けている

会社独自の強みがあれば、競合他社から真似をされにくいため、継続的に収益をあげることが可能です。ただし、「強み」はいつ崩されるかわかりません。強みに期待して投資をした場合も崩されていないかを常にチェックする必要があります。

(5)企業理念や経営者の考え方に共感できるか

企業理念は短期的な収益には一見関係がないように思えます。

しかし、企業理念はその会社の目指す姿を示す大切なものです。株を買うということはその企業に出資して応援することでもあります。

企業理念や経営者の考え方はホームページや経営者の出した書籍などを読んで確認しておくとよいでしょう。

3.保有期間中の考え方

株式に投資をしたらそれ保有期間中はどのように考えたらよいのでしょうか。保有期間中の心構えについて解説します。

(1)投資の目的を明確にする

株式投資の目的は配当益を狙う、値上がり益を狙う等、様々です。また、同じ値上がり益を目指すにしても短期と長期では戦略が異なります。

株式に投資をする場合は投資をする目的と保有可能な期間を明確にして投資をした方がよいでしょう。

(2)常に状況が変わることを把握しておく

これまで説明してきた、分析方法や指標はあくまで、現在の状況や過去の実績を基に分析したものです。
圧倒的な優位を誇る企業でも不祥事などにより、突然シェアを失うこともあり得ます。現在している分析も常に状況は変わり続けるため、その度に売却するか、保有するかの投資判断をする必要があります。

まとめ

株式投資はギャンブルとは異なります。しっかりとした目的を持ち、分析した上で投資をすれば利益を得る可能性は高くなります。株式投資には様々な分析手法や投資方法があります。色々な手法を試しながらご自身の投資スタイルを確立されてみてはいかがでしょうか。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者14万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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