2022
11/30
債券

はじめに

債券とは株式や投資信託と同様に金融商品のひとつです。債券とはどのような金融商品なのでしょう。
資産運用で債券に投資するメリットやデメリットについて解説します。併せて、債券の特徴や種類など、知っておきたい基本的な知識についても説明します。

債券投資とは

債券とはお金の貸し借りのことです。お金を貸して欲しい国や団体、企業などにお金を貸し付けます。お金の貸し借りですから、債券では約束の日になるとお金を返してもらうことが可能です。また、ただ貸して返してもらうだけでなく、債券では条件に定められた金利と元本に応じた金利を受け取ることもできます。

たとえば、社債に100万円貸し付けたとします。その社債の償還日は2023年4月5日でした。金利は年1%です。投資家は2023年4月5日に貸した額面である100万円を返済してもらえます。さらに、100万円という元本に対して年1%の利払いを受けることも可能です。これが債券の具体的な仕組みになります。

債券投資とは債券に投資することです。

債券の特徴

債券には4つの特徴があります。

・金融商品の中ではリスクが低い傾向にある
・償還日に貸した金額を返済してもらえる
・一般的に定期的な利子が受け取れる
・保有期間の途中で換金できる

債券は貸したお金は償還日に返してもらえるという特徴があります。返済してもらえるという点で、金融商品の中ではリスクが低くなっています。

債券は貸した額面を返済してもらえる他に元本と利率に応じた利息を受け取れるところが特徴です。

たとえば、年1%で4年間100万円を投資した場合、単純計算で4万円受け取れる計算になります。元金である100万円を償還日に返済してもらえ、さらに利息を受け取れますから、総合的な金額は104万円になるわけです。

債券は市場で取引できます。債券価格は変動しますので、値上がりしたときは売却して換金することで利益を出せる可能性があります。

主な債券の種類

債券には発行元などによっていくつもの種類があります。
債券の中でも代表的なものをご紹介します。

a.国債

国債とは国が発行する債券のことです。代表的なものに日本国債や個人向け国債などがあります。国債に投資すると、債券発行元の国にお金を貸す(投資する)ことになります。

b.地方債

地方債とは地方公共団体が発行している債券のことです。都道府県などの地方公共団体が資金調達を主な目的としているのが地方債になります。

c.社債

社債とは会社が発行する債券のことです。会社が事業を行うためにも資金調達は必要です。会社は株式による資金調達も行いますが、債券による資金調達も行っています。

d.外国債

外国の国々や団体が発行する債券や外貨建ての債券などを外国債といいます。外国債は債券の一般的なリスクである「企業や団体の破綻などにより貸したお金を返してもらえるか分からない」という信用リスクの他に、外貨も関係することから、為替変動のリスクもあります。

債券の4つのメリット

債券に投資することには4つのメリットがあります。

・債券は銀行預金より金利が高い
・債券は株式投資などと比較してリスクが低い
・債券は途中で売却して収益を得られる
・債券は資産運用の計画を立てやすい

銀行の定期預金にお金を預け満期になっても、金利は雀の涙ほどしかつきません。債券は全般的に金利が高くなっています。特に外国債などは日本国債よりも高金利なので、高い収益を見込むことが可能です。

債券は貸したお金を返済してもらえる投資方法になります。株式などと比較して「返してもらえる」「約束した金利を受け取れる」という点でリスクが低いというメリットがあります。

債券は市場で取り扱いがあり、価格が変動するのが特徴です。100円の債券が市場価格の変動により102円になることもあります。保有している債券の価格が上昇したタイミングで売却すれば、収益を得ることも可能です。

債券は「返済」と「利息の受け取り」を約束します。償還日も条件として記載されます。金利や償還日があらかじめ分かるため、資産運用の計画を立てやすい点がメリットです。

債券の4つのデメリット

債券投資のデメリットは4つのリスクに注意が必要なところです。デメリットでもある4つのリスクは次の通りです。 

・信用リスク
・流動性リスク
・価格変動リスク
・為替変動リスク

債券投資で国や団体、会社にお金を貸しても破綻すると利払いも受けられなくなり、貸したお金も返してもらえない可能性があります。債務不履行や利払いに対するリスクがあります。

債券は市場で売却可能ですが、需要がなければ手放すことは難しいのが現実です。売りたくても買いたい人がいないことにより、売却できないという流動性リスクがあります。

また、債券は市場金利の影響を受けて価格変動しています。債券が値上がりしたときに売却できれば利益になりますが、債券価格低下のタイミングで売却すると損失が出てしまう可能性があるのです。

外貨が関係する債券の場合は為替レートの影響も受けます。債券によっては為替レートの影響を受けて損失を出す可能性があるところもデメリットです。

債券選びのポイント

債券は5つの情報を確認して選ぶことがポイントです。

・発行元(債券の発行団体、国、企業など)
・額面金額
・利率
・その債券の償還日
・格付

その債券を誰が発行しているか、額面金額や利率など基本的な情報は確認して債券選びをすることがポイントです。
また、債券にはリスクの参考になる格付という情報があります。一般的に格付が高いほどリスクが低く、格付が低いほどリスクが高くなります。リスクの参考としてチェックしてみましょう。

まとめ

債券にはメリットとデメリットがあります。資産運用に活かす際はメリットを理解するだけでなく、デメリットにも留意して行なうことが重要です。

債券に投資をするならプロのアドバイスを受けてはいかがでしょう。プロであればメリットやデメリットだけでなく、債券の個別銘柄などの情報にも通じています。無料相談などを利用してみてはいかがでしょう。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者14万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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債券に関するご注意事項

(1) 個人向け国債

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個人向け国債は、原則として、発行から1年経過すれば中途換金が可能です。なお中途換金する際、原則として「直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685」の中途換金調整額が、売却される額面金額に経過利子を加えた金額より差し引かれます。ただし、発行から一定期間の間に中途換金する場合には、中途換金調整額が異なることがあります。

(2) 円貨建債券

円貨建債券を募集・売出し等又は金融商品取引業者との相対取引により売買する場合は、その対価(購入対価・売却対価)のみを受払いいただきます。

債券の価格は、市場の金利水準の変化に対応して変動しますので、償還前に換金する場合には、損失が生じるおそれがあります。

(3) 外貨建債券

外貨建債券を募集・売出し等又は金融商品取引業者との相対取引により売買する場合は、その対価(購入対価・売却対価)のみを受払いいただきます。

外貨建債券を円貨で購入される場合、為替取引には為替スプレッドがかかります。

外貨建債券の利金・償還金の円貨での受取を指定した場合、為替スプレッドがかかります。

外貨建債券の途中売却は、外貨決済のみの受付となります。

外貨から円貨への為替取引には、各金融商品取引業者の定める為替スプレッドがかかります。為替スプレッドについては各金融商品取引業者のWEBサイト等をご確認ください。

債券の価格は、市場の金利水準の変化に対応して変動しますので、償還前に換金する場合には、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営、財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込むことがあります。詳しくは「外国証券の国内店頭取引について」及び「公社債の売買取引について」をご覧ください。

外貨建債券は、為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。

詳しくは、各金融商品取引業者のWEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。