目次
はじめに
木材が高騰する「ウッドショック」が問題になっています。
ウッドショックにより新築住宅の価格や着工にも影響が出ている状況です。
では、中古住宅はどうなのでしょう。
中古住宅価格にもウッドショックの影響が出ているのでしょうか。
ウッドショックが中古住宅に影響を与えているのか、今後の見通しはどうなっているのか解説します。
ウッドショックはなぜ起きたのか
新型コロナの影響で、日本やアメリカなど各国で在宅ワークが注目されました。
在宅ワークをしていると、どうしても自宅にいる時間が増えます。
そのため、アメリカでは「在宅ワークをきっかけに自宅を購入しよう」「あまり外にも出られないから家を買おう」と、住宅の購入が相次ぎました。
住宅を建てるためには建材が必要です。
木は建材としてよく使われます。
アメリカで住宅購入が相次いだ結果、木の需要が増しました。
日本は7割ほども輸入木材に頼っている国です。
海外で木材需要が増した結果、木材の価格上昇や輸入の困難につながり、ウッドショックが起きてしまいました。
この他にも、海外での山林火災やコンテナ不足、新型コロナによる木材の運び手不足などもウッドショックに関係しています。
ウッドショックの影響で新築住宅に影響が出ている
ウッドショックの影響により、日本の新築住宅に影響が出ています。
ウッドショックにより日本の木材価格は高騰しています。
経済産業省『いつまで続くウッドショック;価格の高止まりが需要に影響?』によると、丸太の価格は2021年9月の段階で112.3%~197.3%上昇している状態です。
特に上昇率が高いのはひのきになっています。木材・木製品に127.4%~219.8%上昇している状況です。
木材が輸入により入って来ないと木の需要が増します。
木の需要が増すと、その分だけ価格が上昇するわけです。
そうすると、木によって造られる新築住宅は、ウッドショックの影響を正面から受けてしまう結果になります。
新築住宅の場合、ウッドショックの影響で100万円以上の値上がりも珍しくありません。
ウッドショックは中古住宅にも影響を与えるのか
ウッドショックの影響で木材や新築住宅の価格が上昇している場合、中古住宅の購入や売却に影響は出ているのか気になるのではないでしょうか。
中古住宅に関しては、現在は目だった影響は受けていません。
中古住宅はすでに木材を使って建てられていますから、新たに木材を購入する必要はありません。
ただし、中古住宅をリフォームする場合は影響が出る可能性があります。
リフォームの際に木材を使用する場合、どうしても木材を仕入れなければいけません。
木材自体が高騰しているわけですから、木材を使ったリフォームについては影響が出る可能性があります。
ウッドショックは中古住宅相場に今後影響を与えるか
ウッドショックが長引けば、中古不動産の相場に影響を与える可能性はゼロではありません。
たとえば、ある人が家の購入を考えていました。
しかし、新築住宅はウッドショックの影響で高騰しています。
このようなときはどうするでしょうか。
新築住宅が高騰しているのであれば「中古住宅を購入しよう」と考えるのではないでしょうか。
中古住宅の需要が増せば、その分だけ中古住宅の相場が上がる可能性があります。
ウッドショックの長期化により、間接的に中古不動産相場に影響を与えることも考えられるというわけです。
まとめ
ウッドショックが問題になっています。
日本は木の多くを輸入に頼っているという事情があるため、木材の高騰が続いています。
新築住宅を建てようとしても、ウッドショックの影響で価格が上昇し困るケースもあるようです。
新築住宅にはウッドショックの影響が出ていますが、中古物件は特に高騰しているというわけではありません。
ただ、今後も新築住宅の価格上昇が続けば、家を求める人たちが中古住宅に流れる可能性があります。
今後の不動産相場や木材相場にも注目したいものです。