目次
はじめに
相続税は財産を持っている人(被相続人)が亡くなってはじめて課税される税金です。
そのため、所得税などのように、生前の生活の中で課税される税金と、税金対策が異なっているという特徴があります。
被相続人にとって相続税の課税は死後のことですから、自分の死後を見据えて有効な相続税対策をしなければならないのです。
この記事では、生前にできる相続税対策を厳選して3つご紹介します。
相続税対策ができる期間には限りがある
相続税が課税されるケースは、被相続人100人の相続ケースに対して9人の相続だといわれています。
不動産や預金をある程度所有している富裕層の場合は、相続税の課税リスクは計算するまでもなく、かなり高いものだといえるでしょう。
相続税対策の難しいところは、相続税対策ができる期間には限りがあるということです。
相続税対策は当然ですが、被相続人が生きている間にしかできません。
相続発生後は特例の利用など、相続税対策にも限度があります。
被相続人が存命の間に、相続人ではできない相続税対策をしておくことが重要です。
加えて、認知症になった後は被相続人でも相続税対策はできません。
なぜなら、相続税対策には意思表示が必要になるからです。
被相続人が有効な相続税対策ができるのは「生前でかつ認知症になっていない期間」に限られます。
相続税対策は早めにおこなうことが重要なのです。
生前にできる3つの相続税対策
生前にできる3つの相続税対策をご紹介します。
相続税対策をしたいが、何からしたらいいかわからない。
そう考えている富裕層は、上から順番に相続税対策を考えてみてください。
相続税を得意とした税理士に相続税を試算してもらう
まずおこないたいのは、相続税を得意とした税理士に相続税の試算をしてもらうことです。
税理士にも得意分野があります。
相続税を得意とした税理士でなければ、相続財産をチェックした上で試算しても、計算ミスや実際の税額と大幅に乖離するなど、相続税対策の前提としては不十分です。
相続税対策をする前提として、まずは相続税が得意な税理士を探し、相続税計算をしてもらってください。
税理士はネットでも探せますし、基本的なコンタクトであればメールや電話でも可能です。
所有している財産にあわせた節税対策をする
不動産と預金では相続税の節税対策が違ってきます。
また、財産に占める不動産の割合や現金の割合などでも相続税対策は違ってくるのです。
財産に合わせた相続税対策をすることが重要になります。
たとえば、次のような方法が節税方法として考えられます。
・現金を贈与税の非課税枠の範囲内で贈与する
・お墓や仏壇などの非課税財産を購入する
・養子縁組をおこなう相続税の控除枠を増やす
・相続税評価を減らすために不動産を活用する
・生命保険の控除枠を使って相続税負担を軽減する
以上のような相続税対策は、どのような財産を持っているかによって有効な方法が変わってきます。
たとえばすでに不動産を多く所有しているなら、これ以上不動産を増やすと固定資産税などの負担が増してしまい、適切ではないケースもあるはずです。
預金を非課税枠の範囲内で贈与し、生命保険を活用するなどの方法が考えられます。
このように、財産の状況によって方法を使い分けることが重要です。
相続税の試算を担当した税理士に適切な方法の組み合わせについてアドバイスを受けるといいでしょう。
財産の状況に合わせて遺言書を作成する
相続税対策をするために有効なのは遺言書の作成です。
ただ、遺言書さえ作成すれば相続税対策できるわけではなく、相続税の試算や財産状況に合わせて遺言書を作成する必要があります。
遺言書の作成は弁護士に相談することをおすすめします。
作成の際は、相続税の試算や財産の状況を遺言書作成に活かしましょう。
まとめ
相続税対策ができる期間は限られています。
認知症などになると意思表示が問題になるため、相続税対策が難しくなります。
「コロナ禍だから相続税対策は待って・・・」とは考えず、早めに動き出すことが重要です。
相続税対策は相続税の試算や財産状況に合わせておこなうことがポイントになります。
相続税を得意としている税理士に試算をお願いをするなど、財産状況に合った相続税対策をおこないましょう。