遺言書を勝手に開封したら罰則はあるのか?〜相続の基礎知識〜

はじめに

遺言書は富裕層の相続対策によく使われています。
遺言書は遺産の分割割合などを指定できるため、被相続人が遺産の分け方に希望を持っている場合や相続人間で揉めそうな場合や有用な方法です。
相続人についても、被相続人の資産が多い場合は、遺言書に関わる機会が出てくる可能性があります。
遺言書には開封時もルールがあり、ルールに則って扱わなければ罰則があるのです。

富裕層が遺産相続するときに注意したい遺言書開封のルールをご紹介します。

遺言書を勝手に開封すると罰則はあるか?

被相続人の部屋などで遺言書を見つけたら、つい開封してしまうかもしれません。
また、封筒によっては遺言書だと分からず、「これは何だろう」と確認の意味で開封することもあるのではないでしょうか。

遺言書を勝手に開封することには罰則があるため注意が必要です。

遺言書を勝手に開封できるというルールを作ってしまうと、相続人のうち遺言書を早く見つけた人が偽造や変造をしやすくなってしまいます。
最初に遺言書を開封した相続人が被相続人の字を真似て、自分に都合の良い遺言書を作成し、中身をすり替えるかもしれません。
被相続人が遺言書を作成して相続対策をした意味がなくなるのです。

また、遺言書を開封するのは、遺言書の作成者の死後になります。
偽造や変造、すり替えなどが発生した場合、本人に本物の遺言書や真実の内容について確認することは不可能です。

遺言書を開封するときは、ルールに則って行う必要があります。
ルールに反した勝手な開封については、罰則が設けられているのです。

遺言書を勝手に開封したときの罰則とは?

遺言書を勝手に開封すると具体的にどのような罰則があるのでしょうか。
遺言を勝手に開封したときの罰則は2つあります。

5万円以下の過料を課される可能性がある

見つけた遺言書を勝手に開封してしまうと、5万円以下の過料を課される可能性があります。
家で見つけた遺言書の扱いについては民法1004条に定めがあり、法律に則った開封をしなければいけません。
ルール違反をして勝手に開封したときに罰則は民法1005条に定められています。

相続人としての権利を失う可能性がある

遺言書を勝手に開封し、遺言書の書き換えや破棄などを行った場合は相続人としての権利を失う可能性があります。
民法891条にルールが記載されているのです。

なお、遺言書をうっかり開封してしまっただけで即座に相続人としての権利を失うわけではありません。

遺言書開封で知っておきたいポイント

遺言書の開封は勝手に行うと過料などの罰則を課される可能性があります。
遺言書は作成のときだけでなく、開封時にも注意を要するのです。
遺言書の開封で知っておきたいポイントを確認しておきましょう。

遺言書には裁判所の検認が必要である

遺言書には自筆証書遺言や秘密証書遺言、公正証書遺言などがあります。
自筆証書遺言と公正証書遺言は開封のために裁判所の「検認」という手続きを受ける必要があるのです。
検認を受けずに勝手に開封してしまうとルール違反になります。

公正証書遺言については、原本が公証役場に保存されるため、偽造や変造があっても確認可能です。
よって、検認は必要なく、勝手に開封しても差し支えありません。
勝手に開封して問題になるのは、自筆証書遺言と秘密証書遺言になります。

なお、自筆証書遺言のルール改正により、法務局で遺言書を保管してもらえるようになりました。
遺言書の保管制度を利用した場合は検認不要になりました。

勝手に開封された遺言書に効力はあるのか

勝手に開封された遺言書にも効力はあります。
勝手に開封されたからといって遺言書自体の効力が消えることはないのです。

しかし、遺言書の開封には検認などのルールがあり、勝手に開封した際の罰則もあります。
効力自体が消えることはありませんが、勝手に開封することは避けましょう。

まとめ

遺言書は作成時にも厳格なルールがありますが、開封時にもルールがあります。
自筆証書遺言などの検認を要する遺言書を勝手に開封してしまうと、罰則を受ける可能性があるため注意が必要です。

資産家や富裕層は相続対策のために遺言書を活用することが少なくないため、相続人が遺言書に触れる機会もあることでしょう。
遺言書の作成時だけでなく、開封時も注意して相続の計画を立てたいものです。

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