目次
はじめに
相続時のトラブルを発生させないためにも、トラブルが起こる原因と対策方法について見ていきましょう。
相続トラブルはなぜ起こる?
遺産相続トラブルは「残された財産の内容が不透明」「遺言に納得がいかない人がいる」「疑心暗鬼になっている」などが原因で多く発生しているようです。
それぞれのトラブルの原因について詳しく見ていきましょう。
【残された財産の内容が不透明】
財産は、現金であったり不動産であったり、その形態は様々です。たとえ家族であっても、金融資産について具体的に把握している人は少ないでしょう。
誰も把握をしていなければ、他にも財産があるのではないか?と疑ってしまうのは当然です。
遺言の際には「何が・どこに・いくらあるのか。」を明確に記載しておくことがとても大切です。
【遺言に納得がいかない人がいる】
例えば、被相続人の生前に介護を行っていた家族がいたとします。被相続人は、介護を行ってくれた家族に少しでも多くの財産を渡してあげたいと思うのが当然でしょう。
ですから、遺言書に「介護を行った者に財産全額を渡す」と記してしまうこともあるでしょう。
もちろん、このように記載をしても遺言書として成立します。
ですが、相続には「遺留分」というものがありますから、遺言に納得がいかないからと遺留分を請求する相続人も出てきます。
遺留分を請求されてしまえばもちろん、それらに従って相続を行わなければいけません。
ですが、被相続人が亡くなるまで介護を続けてきた相続人にとっては、1円たりとも支払いたくないと思うかもしれません。
遺言を書く際には、遺留分を把握した上でトラブルが起きないような遺産分割を行うと良いでしょう。
【疑心暗鬼になっている】
財産は本来、自分で管理を行っているため、家族内であっても財産についてすべてを把握している方は少ないでしょう
ですが例えば、認知症を患っている父親が死亡し、相続が発生したとします。
認知症であれば一人で生活をすることが困難なことも多く、介護老人ホームや家族が介護をすることもあるでしょう。
兄弟姉妹のうち一人が父親の介護を行っていれば、介護者が認知症である父親の財産管理を行っていることも多いようです。
そのため、他の兄弟姉妹が「隠し財産があるのではないか?」と疑ってしまうこともあるようです。
遺言書の準備でトラブル回避
遺言書は、自分の意志をしっかりと伝えるためにとても大切なものです。
もしも無効となる遺言書を書いてしまえば、遺言書の効力を失ってしまうため注意をしなければいけません。
そもそも遺言書には主なものとして「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。
もっとも安全とされる遺言は「公正証書遺言」ですが、もっともポピュラーな遺言は「自筆証書遺言」となっています。
もしも自筆証書遺言や秘密証書遺言で遺言書を書き、無効となってしまった際には、トラブルの原因になってしまうことがあります。
例えば、遺言書に以下のように記載をしたとしましょう。
「長男には金融資産1,000万円を相続させる 次男には金融資産500万円を相続させる」
この遺言が有効と判断されれば、長男は喜ばしいでしょう。しかし、この遺言書が無効となってしまえば、長男・次男で折半となってしまいます。
被相続人の意思は伝わらず、長男もきっと納得できないことでしょう。ただ遺言書が無効となってしまえば仕方がないのです。
仕方がないとわかっていても、納得がいかずトラブルになってしまうことはよくあります。
トラブルを防止するためにも、しっかりと遺言書を準備しておきましょう。
急死に備えて早めの終活
誰しもが自分がいつ死ぬかを知るすべはありません。もしかしたら明日亡くなるかもしれません。
自分らしい最期を迎えるためにも、自分の死後を希望通りにするにしても、なによりもトラブルを回避するためにも
元気なうちから終活を始めてみてはどうでしょうか。
遺言は、意思能力がなければ作成することはできません。
つまり、認知症を患ってしまったあとに書いた遺言は無効となってしまう可能性があります。
遺言書は、何度でも書き直せますから、早めの終活でトラブル回避を心がけましょう。
まとめ
今回、相続トラブルの原因やトラブルを回避するための、ポイントについて紹介しました。
被相続人の死後、トラブルになってしまうのは、相続人もできれば避けたいと考えるのが当然です。
今回紹介した内容をもとに、トラブルが起きないようにしっかりと準備をしておきましょう。