2021
01/07

はじめに

ZOZOの前社長である前澤友作さんが「お金配り企画」と称して連日現金を配っていることが話題になっています。
前澤さんはお年玉企画として100万円を配って大きな話題を呼びましたが、お金配りはお年玉企画だけで終わらず、2020年に何度もおこなわれています。
しかも、前澤さんに続くかたちで他にもお金配りをする人たちがあらわれ、Twitterでは「お金配り」と検索すると、RT(リツイート)やフォローを条件にお金を配っている人が多数ヒットするのが現状です。

2020年にますます激化するお金配り

お金配りで当選した場合の課税関係はどうなっているのでしょう。
お金の種類ごとの課税やお金配りの当選金の税目、お金配りでお金をもらうときの注意点などを説明します。

「どのような理由でお金を得たか」によって課税が変わる

日本は利益や収入などがあれば、基本的に課税がおこなわれる国です。
ただ、利益があっても一律に同じ税金が課税されるのではなく、「どのような理由で利益を得たか」によって課税される税金が変わってきます。

たとえば相続の場合は給与などと同じく遺産によって利益(プラス)を得るわけですが、相続という理由に合わせた税目が課される仕組みになっているのです。
相続の場合は相続税になります。

SNSのお金配りによってどのような税金の対象になる可能性があるか考えてみましょう。

SNSでお金をもらうのは給与のように仕事の対価としてもらうわけではありません。
よって、所得とは異なるため所得税をまず省きます。
当然ですが相続でもありませんから、プラスに対する課税であっても相続税も対象外です。

SNSのお金配りでは「一時所得」か「贈与」のどちらかで判断が分かれます。

SNSのお金配りでもらったお金は何税の対象になるのか

贈与税とは「財物をもらった(贈られた)ときの税金」です。
対して一時所得は「競馬などの一時的な所得に対しての課税」になります。
最終的には国税庁の判断ですが、SNSを通してお金をもらう(贈られる)わけですから、贈与税の課税対象になる可能性があります。

仮に贈与税の課税対象になる場合は、贈与税は年間110万円という非課税枠があるため、SNSでよくおこなわれている「10万円お金配り」などでお金を受け取っても、基本的に税金はかからないだろうと考えられます。
贈与税の非課税枠である110万円の範囲内だからです。

ただし、すべてのケースにおいて非課税になるわけではありません。

SNSのお金配りでお金をもらったときの注意点

SNSのお金配りにはRTやフォローで簡単に参加できます。
お金を無償でもらえることは確かに嬉しいことかもしれませんが、注意すべきポイントもあるのです。
税金などで注意すべきポイントはふたつあります。

他にも贈与を受けている場合は贈与税の課税対象になる可能性あり

贈与は年110万円まで非課税枠になっていますが、SNSのお金配り以外でも財物を受け取っていると贈与税などの対象になる可能性があります。
1回の贈与につき110万円が非課税枠ではなく、年間の贈与の非課税枠が110万円である点に注意が必要です。

たとえば、子供や孫がよくSNSを使っており、SNSのお金配りで既に贈与を受けていたとします。
父親や祖父母が相続対策をしようと、同年中に110万円の贈与をおこないました。
このようなケースでは、110万円を超える部分について贈与税などの対象になる可能性があります。
両親や祖父母の相続対策が子供や孫のSNS利用状況によって崩れることになるのです。

社会的に反響の大きな事柄については税務署が調査に乗り出す可能性がある

非課税枠を超えてしまっても「黙っていればわからないだろう」と思うかもしれませんが、実際、贈与は簡単にわかってしまいます。
もらった側が贈与の事実を黙っていても、贈与した側の税務調査をおこなえば、誰に贈与したか確認できてしまうのです。

SNSのお金配りは反響が大きく、前澤さんをはじめとしてお金配りをしている人たちのフォロワーやRT数は多く、SNSをやっていない人にとっても「お金を配っていることは聞いたことがある」といった事態になっているはずです。
社会的に反響の大きな事柄については、国税庁も調査に乗り出す可能性があります。
調査から贈与税の脱税などが炙り出される可能性があるのです。
贈与税の申告などはしっかりおこなうよう、注意する必要があります。

まとめ

TwitterなどのSNSでは前澤さんをはじめとして幾人かが「お金配り」をしており、反響を呼んでいます。

お金を配ること自体は特に問題ではないのですが、お金を受け取った結果として課税が発生する可能性は見逃せません。
また、子供や孫がお金配りでお金を受け取った結果、両親や祖父母の相続対策が失敗するリスクもあるのです。
税金や相続を考える上で気に留めておきたいニュースではないでしょうか。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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