初心者が知っておくべき債券の知識① -債券の仕組み、特徴そして種類について-

はじめに

資産運用と言うと、株式や投資信託に目が行きがちです。

しかし、債券はあらかじめ条件が決められているため、安定した収益が見込めるミドルリスク、ミドルリターンの金融商品です。資産運用を行うポートフォリオに債券を取り込むと、バランスの取れた安定した運用に期待できます。

そこで今回は債券の基本的な内容について3回シリーズでお話ししたいと思います。第1回目は債券の仕組み、特徴と種類について分かりやすく解説いたします。

債券の仕組みと特徴

(1)仕組み

ア 債券とは
債券とは簡単に言うと、国や地方自治体、民間企業等が資金を集めるために発行する借用証書のようなもので、お金を借りる側が貸し手に対して発行するのが「債券」です。

イ 仕組み
最初に、投資家は債券の購入を通じてお金を国や地方自治体、民間企業等(発行体)に貸します。その間は利子を受け取ることができ、満期が来ると額面金額(相場の変動により債券の時価は変わりますが、最初に設定した債券の価格)が戻ってくるという金融商品です。

また、満期が来る前に途中で売却もできます。

(2)特徴

ア 株と債券
株はその会社に投資するという感覚が強いですが、債券はお金を貸すといった感覚です。そのため、株式にはない返済期限(償還期限)があり、利子を受け取ることが出来ます。

株式の配当金は変動しますが、一般的な債券の利子は当初から決まった金額です。償還期限が来る前の途中売却も可能で、売買益や売買損が出る可能性があるのは株式と同じです。

イ 債券の価格と金利の関係
債券の価格は、市場金利との関連、発行体等の信用状況の変化によって日々変動しています。

その価格変動により、債券の投資収益(利回り)も変化します。債券は、金利が上昇しているときには価格は下がり、逆に金利が低下しているときには価格は上がります。

ウ 利率と利回りについて
「利率」と「利回り」については、使い分けがされているので、ご紹介します。債券は利子の支払いの違いにより、「利付債」と「ゼロクーポン債」に区分されます。

利子が定期的に支払われるのが「利付債」です。「ゼロクーポン債」は利子がない代わりに発行時に利子相当分が額面金額から割り引かれて発行され、償還期限を迎えると額面金額が償還される債券です。ここでは、「利付債」の仕組みについてみてみます。

(ア)利率(年利)
額面金額に対し毎年受け取る利子の割合のことで、表面利率ともいいます。

債券の利率は、発行するときの市場の金利水準や発行体の信用の度合いに応じて決まります。発行体の信用の度合いが低いと利率は高くなります。

(イ) 利回り(年利回り)
投資金額に対する利子も含めた年単位の収益の割合のことで、売買なども考慮したものです。

(ウ) 利率と利回りの違い
例えば、投資金額を100万円、債券の利率を4%とした場合、4年後に104万円で売却できた場合は、4年間の利子16万円 (100万円×4%×4年)、

さらに、売却益4万円 (104万円-100万円)なので、4年間の収益は20万円 (1年あたり5万円)となり、年利回り5%となり、債券の利率より高くなります。

一方、同じ債券を4年後に96万円で売却した場合は、4年間の利子は16万円 (100万円×4%×4年)で変わりませんが、4万円 (96万円-100万円)の売却損が出てしまい、4年間の収益は12万円 (1年あたり3万円)で、年利回り3%と債券の利率より低くなります。

債券の種類

債券を区分する際には、何を基準にするかにより大きく異なってきます。種類の多さが債券を分かり難くしています。

分類の基準としては①償還期限②発行体③形態④発行形態⑤担保⑥償還条件があります。

(1)償還期限による分類

期間的な区分として、短期、中期、長期、超長期、永久があり、償還期限が1年以内を「短期債」、1~5年を「中期債」、5~10年を「長期債」、10年を超えるものを「超長期債」、期限がないものを「永久債」と言います。

(2)発行体による分類

国、地方公共団体などが発行するものをそれぞれ「国債」、「地方債」等といい、これらをまとめて「公社債」と言います。

また、民間企業が発行する債券は「民間債」といわれ、株式会社が発行する「社債」や農林中央金庫、商工組合中央金庫、信金中央金庫が、それぞれの特別の法律(長期信用銀行法等)に基づいて発行する「金融債」などがあります。

外国の政府や法人が発行する債券が「外国債(外債)」で、外国政府や民間企業が日本国内で発行する円建て債券を「円建て外債」と言い、利払い・償還とも円建てで行われるため為替変動リスクはありません。

これに対して、外貨建てで発行する債券を「外貨建て外債」と呼びます。

(3)発行形態による分類

不特定多数の一般投資家に対して募集を行う「公募債」と、発行する債券を特定の投資家が引き受ける「私募債」があります。

(4)その他

その他には、担保による分類で、「担保債」「無担保債」があり、償還条件の分類では繰り上げ償還が可能な「コーラブル債」などもあり、デリバティブと絡めた「仕組債」という債券もあります。

まとめ

今回は債券の仕組み、特徴と種類についてお話しました。現在の債券の利率は低く、株式に比べると魅力がないように思いますが、投資のプロが扱う社債や外貨建て外債の中には利率の高いものもあります。

このような債券をポートフォリオに加えることにより安定した運用が可能になりますが、リスクを認識しながら運用する必要があります。

このような債券をポートフォリオに組み込みたい方は、投資のプロに相談しましょう。安心できますし、効率的な運用に期待ができます。

次回の債券シリーズ第2弾は具体的な債券の商品と取引のリスクについて解説いたします。

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