不動産投資をはじめたり、買い増しをしたりする中で悩ましいことの一つが、どのロケーションに物件を選ぶかということですよね。書籍やインターネットを見ると、人によって地方物件のほうがよいという意見もあれば、首都圏物件のほうがよいという意見もあり、どちらが正解か悩むところです。
地方物件も首都圏物件もそれぞれに長所と短所がありますので、一概にどちらが正解ということはできませんが、特徴を知ることで、ご自身の状況にあった後悔しない物件選びをすることができます。この記事では、地方物件と都市物件の不動産投資の特徴をご説明しますね。
目次
1.潜在的な賃貸需要市場は、首都圏物件に軍配
日本は少子高齢化が進んでおり、統計によれば平成22年の1億2806万人から緩やかに人口が減少しているといわれています。それに伴い、不動産の借り手であるメインターゲットの若手層は、地方から首都圏を含む五大都市に、就学や就労を目的として流入をしているといわれています。
それにより、ますます地方経済の過疎化や衰退が進み、将来的には日本の人口は都市部に一極集中するといわれています。このことを考えると、賃貸需要としては、地方よりも都市圏の物件が有利であるといえるでしょう。
2.利回りは地方物件のほうが有利
不動産賃貸経営で大きな指標となる利回りは、ほとんどの場合地方物件が有利です。上述の若者の地方離れにより地方物件は比較的物件価格が安いためです。賃料設定は物価水準と連動しますので、もちろん地方物件のほうが首都圏物件より安いですが、それでも物件価格についての首都圏物件と地方物件の差異よりは開きがありません。
そのため、地方物件であれば、利回りが10%を越える物件がメインであるのに対して、首都圏の駅近物件は3-4%程度の利回りであることも珍しくなく、また稀にある高利回り物件には購入希望者が殺到するため、競争が激しくなかなか買い付けが難しいといわれています。
3.市場参入のしやすさは地方物件のほうが有利
地方物件のほうが価格が安いため、自己資金や借入額をおさえて不動産投資をはじめやすいという特徴があります。まだ、与信枠がそれほどない若年層の場合、まず地方物件の中で不動産投資実績をあげてから、都市物件の買い増しをするという選択肢もあります。
4.居住地から離れている物件のメンテナンスには注意
地方物件に限りませんが、ご自身の居住地から離れていた物件を購入する場合、物件の管理の手間やコストがかかることは覚悟しなければなりません。
不動産の貸主には、雨漏りや水漏れなど居住に支障があるような瑕疵については修繕して借主が通常に生活できるように物件の状態を維持する義務があります。遠隔地にある物件の購入に際しては、こういった管理を代行してもらうための信頼できる管理会社を見つけておきましょう。
5.情報へのアクセス
居住地とはなれた地方物件、特に地縁がない地域での不動産購入を検討する場合、物件選びの際の情報入手には工夫が必要です。不動産はインターネット上で閲覧できる数値だけではなく、周辺環境、物件、ヒストリーなどによって実際の価値が決まります。
こういった情報を手に入れるためには、購入前に実際に何度か現地に足を運び、地元で古くから事業を営んでいる管理会社や不動産会社に話を聞くなどしましょう。
6.最後に
いかがでしたでしょうか。皆様の不動産投資先選びのご参考の一つとなれば幸いです。