相続税の「うっかり申告漏れ」を防ぐための4つの方法とは?

はじめに

相続税の申告を期限内に済ませても申告漏れにより追徴課税が発生するケースがあります。
2020年は海外資産の申告漏れが過去最多の149件だったと発表されました。
そのうち悪質だとして重加算税が課されたのは25件となっています。

相続税の申告漏れの中には「遺産を漏らした」「財産の計算をミスした」などのうっかりミスで追徴課税になるケースも少なくありません。
海外資産の申告漏れについても149件中25件以外は特に悪質ではないという判断が下っていることからもわかるように、中には相続税手続きをしっかりと行ったにも関わらず申告漏れが発生したケースもあるのです。
仮にうっかりミスでも申告漏れは申告漏れ、追徴課税などのリスクがあります。

この記事ではうっかりミスによる申告漏れを防ぐための方法を解説します。

相続税の申告漏れを防ぐ4つの方法

相続税の申告をしっかり行っても申告漏れがあれば税の加算といったペナルティは免れられません。
ペナルティを回避するためには相続税の申告を忘れずに行うだけでなく、申告漏れを防ぐことも重要です。
相続税の申告漏れを防ぐために注意したいポイントと合わせて4つの方法をご紹介します。

遺産の計上漏れを防ぐため財産目録などを作成する

相続税を計算するときは遺産を調査しなければいけません。
遺産が明確にわかるケースなら問題ありません。
しかし中には海外に不動産を有していたり、自宅の他に別荘や収益物件があったりするなど、どこにどのくらいの遺産があるのかわからないケースもあるのです。

預金や有価証券も、どこにどれだけ持っているのか分からないケースが少なくありません。
特に富裕層は有価証券や不動産、預金などを分散して所有しているケースが多いからこそ、遺産の調査をしても漏れてしまい計算時に計上できないことがあるのです。

遺産の計上漏れを防ぐためにも財産の手がかりを残すことが重要になります。
財産目録を作成したり財産関係の資料や通帳、契約書はひとつの場所にまとめて置いたりするなど、財産調査のための情報をわかりやすいかたちで残すことが方法のひとつになります。

贈与についても契約書などに証拠を残す

被相続人の死から3年前の贈与は相続税の対象になります。
贈与は相続とは無関係だと思うかもしれません。
相続税の計算とも生前の贈与は関係ないと思うことでしょう。
しかし、贈与の日付によっては生前贈与加算の対象になるため相続税の計算時に注意する必要があります。

贈与については書面で残しておくようにしましょう。
また、贈与の当事者同士では贈与したつもりでも、実際はきちんと贈与されていないことがあります。
贈与したつもりで贈与されていなければ相続税の対象になるため、確認漏れのないよう注意が必要です。

相続税の申告準備は早めにはじめる

相続税の申告準備を早めにはじめることも申告漏れを防ぐために重要なことです。

相続税申告のためには遺産の調査が必要になります。
遺産を漏れなく調査するためには相応に時間がかかるのです。
相続税申告には「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内」という期限があります。
期限が迫っている中で相続税申告の準備をすると遺産の調査漏れが発生する可能性があるのです。
特に海外にも資産を持っている場合は調査に時間がかかります。
海外資産の調査期間も視野に入れ、早めに相続税申告の準備を行う必要があるのです。

調査漏れが発生すると相続税の計算や申告も漏れてしまいます。
余裕を持って漏れなく進めることが重要です。

相続税の専門家に相談する

相続税のうっかり申告漏れを防ぐためには税理士などの専門家に相談することもポイントです。
ただ、税金の専門家なら誰でもいいわけではありません。
税理士にも専門分野や得意分野があります。
相続税の相談をするなら、税理士の中でも相続税を専門にした税理士に相談することがポイントです。

相続税の専門家は遺産がどこにどのくらいあるか、どのような遺産をどのような方法で調査すれば効率が良いのか把握しています。
相続税の手続きや申告の実務にも通じています。
申告漏れを防ぐなら、税理士などの専門家でも相続税を専門にしている専門家を頼ってはいかがでしょう。

まとめ

相続税申告をしっかり行おうとしても、遺産の調査漏れなどから申告漏れが発生することがあります。
相続税の申告漏れを防ぐ方法は4つです。

この他に、相続税のことを考えて事前の資産整理や資産の見直しなども有効な方法になります。
FPなどの専門家も活用し、相続税の申告漏れが起きないよう資産状況に合わせた対策を講じておきましょう。

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