2019
05/20
最終更新日:2019/05/22
資産運用入門

株式の役割について

前回は、株式投資という金融手段が果たしている役割につき概観しました。

株主から資金提供を受けた企業にとって、その資金は返済期限がなく、使途も自由、配当を出さないとすれば特にコストもかからない資金、ということになり、大変使い勝手の良い資金です。銀行から借り入れをしての事業となると、そうはいかないという事は容易に想像がつくでしょう。

逆に言えば、そういう便利な資金を提供する株主の目的とは一体どのようなものでしょうか? 
前回は株主としての権利をいくつか指摘しましたが、株主になる“目的”となりますと、煎じ詰めればキャピタル・ゲインの獲得、ということになるでしょう。

株主優待や配当金の享受等も、その投資先企業の業績が奮わなくなってしまうと、必ずしも継続するかどうか懸念が生じます。
株主になると意思決定をしたとき、その企業の業績がこの先奮わないと予想する人は基本的にはいないでしょう。

企業の利益が拡大し、資産価値が大きくなるとともに株価が上昇すれば、株主としては大きな果実を手にすることができます。
それは、配当金や株主優待等のメリットを大きく上回る果実となります。

しかし、その果実が得られるかどうか、投資時点では神ならぬ一般投資家にとっては全く不明です。貸付主に比べて株主の法的保護も順位は後回しです。

通常、株式投資を指して、“企業へのリスクマネーの供給”と表現されるのは、株式投資にこうした難しさがあるためです。(このリスクという用語は後の稿で再び詳しく触れたいと思います。)


(2009年9月国立国会図書館財政金融課資料レファレンスより)

このような株式投資は、日本の場合、まだごく一部の人のみが行っているとの印象があります。上記表は、日本人の“リスクを嫌う”メンタリティーが現れているように見えます。

株で儲けた、という表現が何となく一般には敬遠されるようにも思えます。日本人は何といっても現預金が好きなのです。

しかし、前回・今回でお話しているのは、株式投資というマネー供給が現代社会において欠かせない成長資金の供給を意味し、これが機能しないと経済全体に沈滞感が強まるという事実です。

勿論、資金提供を受ける企業側も魅力を高めていく必要がありますが、我々の側も、低金利をぼやくだけではなく、正確な知識をもって理にかなう投資を心がけていきたいものです。

次回から、いかに株式市場にアクセスしていくかを論じて参ります。

次回記事:株式を買うにはどうすればいいの?投資信託についてもわかりやすく解説!
前回記事:ニュースでよく聞く「株式市場」とは?株式市場の仕組みについて正しく理解しよう!
連載一覧:人生100年時代に備える!資産運用入門

(本稿は一般の皆様に、資産運用に必要な基礎知識を学んでいただく目的で長期連載いたします。 ”今すぐ儲かる有望銘柄30選”といった内容ではないことをご承知おき下さい。)

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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