株式市場について
現代の資本主義企業社会において、非常に重要な役割を果たすのが株式あるいは株式市場です。
有名大企業はもとより、日頃街中で目にする小さな会社でも今ではほとんどの会社が“株式会社”という形態をとっています。
株主から資金を募り、その資金を使って事業を営み、得た利益を出資してくれた株主に対して返す、というのが株式会社の基本です。
出資して株式を手にし、株主になると、こうした利益を得る可能性を手にする代わりに、出資した会社が利益を出せないと株主も損失を蒙る可能性があります。
うまく考えられているのは、このような株主としての権利である株式を他人に譲渡したり、譲受されたりできる場がある、ということで、通常、証券取引所(写真)においてこのような株式の売買が行われています。(所定の条件をクリアした上場企業の場合)
このような株式売買の場が株式市場であり、日々、世界中から売買注文が寄せられ、活発に取引が行われています。
売買の対象となる会社のことを通常、銘柄と呼んでいますが、株式市場である銘柄を購入した人は(法人でも)株主と呼ばれ、株価値上がり益・値下がり損や配当金の受領、株主総会への出席、といった株主ならではの権利を持つことになります。
株式会社は、株主による出資を必要としています。
株式会社にしてみると、銀行からの資金の借り入れと比べて、株主が提供してくれた資金の方が長期で使用でき、特に返済の期限もなく使途も自由、配当金を払わないのも企業の判断で可能、という使い勝手の良い資金であると言えます。
少し踏み込んで言えば、企業活動にはこうした性格の長期的安定的な資金調達が必要です。
株式を購入する、ということはこうした現代社会に不可欠な長期資金を企業に株式投資を通じて供給している、という事を意味します。
中には、株式投資を“手っ取り早いギャンブル”という風に捉えて毎日毎日自宅パソコンで短期的売買を繰り返す人もいますが、本来の株式市場は、企業成長とともに株主としての利益も成長することを目指す場であることを忘れないことが肝心でしょう。
銀行融資がしばしば間接金融と呼ばれるのに対し、直接金融と呼ばれる企業への直接投資の代表格である株式市場は、間接金融と両輪をなし社会そのものになくてはならない役割を担っていると言っても過言ではありません。
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(本稿は一般の皆様に、資産運用に必要な基礎知識を学んでいただく目的で長期連載いたします。 ”今すぐ儲かる有望銘柄30選”といった内容ではないことをご承知おき下さい。)