2020
07/14
最終更新日:2020/08/07
経済・マーケット

はじめに

みなさんは「個人投資家は頑張っても、大手機関投資家の運用に勝てない」と思っていたりしないでしょうか。

そんなことは決してありません。ベトナム戦争という歴史を振り返ってみてください。強大なアメリカ軍に対して、ベトナムの人々はゲリラ戦で戦い抜き、最終的に勝利を収めました。

勝負は、戦力の大小だけでは決まりません。個人投資家には個人投資家の強みがあります。

今日は、個人投資家の強みについてご説明したいと思います。

たしかに、多くの個人投資家は、株式市場で成功するための洞察力やツールが機関投資家ほどないため、彼らに負けていると考えているかもしれません。

しかし、決してそんなことはありません。

大手機関投資家と比べて個人投資家の有利な点をご説明します。

1.購入に制限がない

一つ目は「株式の購入に制限がない」ということです。

私たちがプロの投資家に対して持っている最大の利点の1つは、制限なく好きな株に投資できることです。

例えば、ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイは市場を動かさずに時価総額の小さい株式に投資してポートフォリオを構築していくことはできません。

なぜなら、バフェットの購入情報が知れ渡ると、小さい株式の場合には株価が大きく上昇する可能性が高いからです。

また、私たちのような個人投資家は、ポートフォリオのサイズを厳しく制限されることがありません。

どのようなポートフォリオを構築しようが、それは個人の自由です。

お客様のお金を預かって運用する機関投資家と違う大きなメリットはここにあります。

個人投資家は、「企業の事業基盤がまだ損なわれていない」と信じるならば、株価が下落した場合には、思いきって低価格で株式を追加購入することができます。

しかし、機関投資家はそうはいきません。お客様に対する説明責任があるからです。もし購入した株式が下落したらこのような感じになったりすることもあるようです。

お客様  : 「なんでこんな株式を購入したんだ」
機関投資家:「いや、事業基盤が損なわれていないと思いまして・・・」
お客様  :「それはどこでわかるんだ。数値で証明してみろ」
機関投資家:「すいません。数値ではうまく説明できませんが、長年の経験を信じて購入したんです」
お客様  :「はあ?長年の経験?その経験が腐っているんじゃないのか?もう契約解除だ!資金は引き上げる!」

説明責任を常に求められる機関投資家は、実は結構つらい立場にあるのです。

2.長期タイムライン

個人投資家が機関投資家に勝っている部分は、長期的な視点で自分のタイミングで投資できるということです。それは最大の強みといってもよいと思います。

私たちは企業をじっくり調べ、市場サイクルのさまざまな段階でゆっくりと落ち着いて投資することができます。

また、私たちは小型株を購入することができるので、早い段階で企業に投資をはじめることができ、時間をかけてそのビジネスを勉強しながら投資することができます。

機関投資家が目をつけるほど大きくなった頃には、私たち個人投資家は莫大な富を得ていることでしょう。

ベトナム戦争でいうゲリラ戦ができるというわけです。

さらに、個人投資家は、パフォーマンスばかり気にせずどっしりと構えることができます。

機関投資家は、四半期ごとに運用状況をお客様に説明しなければならないと法律で決められています。

ですから、四半期末ごろにポートフォリオマネージャーが損失の出ている株式を売却し、別の株式を購入して、人工的にファンドの見た目を改善させることは珍しいことではありません。

これは、投資の世界で「お化粧をする」といいます。

3.好きなようにできる

これは、個人投資家の最大のメリットでしょう。

個人投資家は投資する際に他の人に報告する必要はありません。機関投資家はお客様に報告しなければならないため、柔軟に行動することを妨げられます。

また、市場が悪化した際に投資家から償還請求を受けることもありません。

本当であれば、市場が悪化した時こそ多くの株式を購入するチャンスです。

しかし、機関投資家の場合、市場が上昇している際に、投資家がファンドを欲しがる傾向があるため、過大評価されている時に株式を購入することを余儀なくされてしまいます。

まとめ

実は、個人投資家は市場分析のための洗練されたツールを持っているプロの投資家と比べて多くの利点を持っています。

個人投資家が持つ利点は、(1)様々な企業が買える(2)時間をかけてゆっくりと投資できる (3)市場崩壊時にも平和に投資を続けられるというものです。

この強みを利用して、あなたも資産を築いてください。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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