目次
はじめに
当記事ではJRAが定める馬主について分かりやすく解説していきます。馬主になるには何が必要か?ということに加え馬主の種類や、得ることができる賞金の金額についても触れていきます。
基礎的な内容となっていますので競馬にあまり詳しくない方もぜひご覧ください。馬主についての理解が深まれば幸いです。
馬主とは?
馬主とは、競走馬の所有者のことを言います。その役割はとても大きく調教師や生産者、騎手など多くの人と協力関係を結びながら競走馬の生涯に携わります。
苦労も多いですが、それゆえ愛馬が大きなレースを勝ったときの喜びはひとしお。何ものにも代え難い感動があります。馬主がウイナーズ・サークルで人目をはばからずに涙するシーンには乗り越えた苦労や一頭の馬に携わった多くの人の思いが募っています。
著名人にも馬主は多い
芸能界では北島三郎氏やドクターコパで知られる小林祥晃氏、スポーツ界では佐々木主浩氏などが有名です。特に近年はこの3氏の活躍が目立ち北島三郎氏はキタサンブラック、小林祥晃氏はコパノリッキー、佐々木主浩氏はヴィブロスで最もグレードの高いレースであるG1レースを制しています。
とりわけ北島三郎氏が所有したキタサンブラックはJARの年度代表馬を2年連続で受賞する程のスターホースにまで上り詰めました。生涯で7度もG1レースを制し生涯獲得賞金はおよそ19億。
北島三郎氏は馬主としても誰もが羨む成功を収めています。
馬主の種類
世間一般では馬主と言えば個人馬主のことをイメージしている方が大半かと思いますが実は3種類が用意されています。ここではその違いについて簡単に紹介していきます。
1.個人馬主
登録者を個人とするものです。馬主全体の85%がこの個人馬主の形態をとっており、自由に競走馬の馬主としての活動が可能です。
2.組合馬主
3名以上10名以下が組合員となり共同で馬主として登録することができます。個人馬主よりも各々の所得要件が低くなるので個人馬主と比較すると馬主としてのハードルは幾分低くなります。
3.法人馬主
競馬事業を主とする法人を馬主として登録することができます。法人馬主の代表者は個人馬主としての登録要件をクリアする必要があり、法人としての財務内容も審査が必要です。また代表者は個人馬主として一定の活動経験がなくてはいけません。
個人馬主になるには何が必要か?
馬主には複数の種類があることを紹介しましたが、ここでは最も多い形態である個人馬主になるための必要要件について紹介していきます。
1.資産
一時的なものではなく継続的に所有する資産として7,500万円以上あることが必要です。また、ここで定めているものは本人名義の不動産、預貯金、有価証券とされており、保険証券やゴルフ会員権、海外で所有する不動産、骨董などは含みません。
その他、負債がある場合には資産額から差し引く必要があるので注意しなくてはいけません。
2.所得
こちらも一時的ではなく継続的に得ることができる所得として1,700万円以上がなくてはいけません。収入ではなくあくまで所得です。さらには過去2年連続で1,700万円以上あることも必要です。
3.JRAが定める事項に該当しないこと
資産や所得が充実していることに加え、JRAが定める事項に該当していないことも馬主となるには必要です。全部で第1号から第13号までありますが、例えば禁錮以上の刑に処せられた方や破産宣告を受けた方はこれに該当してしまいます。
馬主が得ることができる賞金の割合
愛馬がレースに勝つことで馬主が得ることができる金額は賞金の80%で、全てもらえる理由ではありません。賞金は馬主が80%、調教師が10%、騎手が5%、厩務員が5%と決まっており競走馬に携わる人たちに分配されます。
ちなみに日本での賞金額最高はG1レースのジャパンカップと有馬記念で3億円。次に高額なレースは日本ダービーの2億円です。
また牡馬(オス馬)が現役で大きな成功を収めると種牡馬としてシンジケートが組まれます。競馬はブラッドスポーツと呼ばれる程血統には多額の価値が付くため歴史に名を残すような名馬ともなれば、その血の価値は数十億にもなります。
そのため僅かな可能性ではありますが競走馬が引退をする際にも莫大な金額が動くことがあります。
まとめ
これまで紹介してきたように馬主にはなるためには複数のハードルを超えなくてはいけません。ただそのハードルを超え馬主となることができれば非日常的な体験や何ものにも代え難い感動を得ることができます。
そして、もし名馬の馬主となることができたなら・・・。その血は後世にまで繋がれていきます。歴史の一片に携わることができるのも馬主の大きな魅力です。