はじめに
急な入り用でお金が必要になったとき、出費がかさんでしまったとき。
給料日前で、ほんの少しお金が足りない!というとき、どうしますか?
知人・友人・家族などに助けてもらうのもひとつの手です。消費者金融等から借り入れを行うのもひとつの手段ですね。
しかし、「借金をする」ということに抵抗がある方も少なくはないでしょう。
そういった方をターゲットに「給与ファクタリング」というサービスを提供する会社が存在します。
今回は、そんな給与ファクタリングの危険性や通常のファクタリングとの違いについてお伝えしていこうと思います。
ファクタリングとは
ファクタリングとは、売掛債権の管理や回収を行う金融サービスです。
企業や個人事業主から見れば、売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらうサービス。
急に現金が必要になった際など、売掛債権(請求書)を利用して、現金に変えられるのがファクタリングのメリットです。
金額に応じて手数料が発生しますが、一般的には1~10%が相場であると言われています。
また、銀行などから受ける融資とは異なるため、審査基準も甘めに設定されています。
もちろん、融資ではないので返済の義務もありません。
あくまでもファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に売るという金融サービスです。
給与ファクタリングの危険性
ファクタリングは売掛債権を売る金融サービスであり、給与ファクタリングは違法となる可能性が高いので注意してください。
給与も売掛債権も「請求できる権利」としては、意味合い的に似ていますが、売掛債権と給与は根本的に違います。
そもそも給与とは、給料報酬債権として、働いた対価として支払われるものです。
そのため、通常のファクタリングとは区別され「給与ファクタリング」と言われています。
今現在、給与ファクタリングを直接取り締まる法律はありません。また、「給与ファクタリング」などと称して、個人の賃金債権を買い取って金銭を交付し、個人を通じて資金を回収する業務は、貸金業に該当します。貸金業登録を受けずにこうした業務を営む者は、違法なヤミ金融業者です。
「貸付け」と認定されれば、貸金業法違反・出資法違反に抵触する可能性があります。過去の判例では「貸付け」と認定し、出資法違反による刑事罰の対象としたケースもあります。
また、給与ファクタリングの利用者の中には、給与の引き渡しが遅れたことによって、会社に電話が掛かってきた方もいました。
もしも給与ファクタリングに関するトラブルが発生してしまったら、日本ファクタリング協会や金融庁 金融サービス利用者相談室などへ相談をしてください。
給与前払いサービスとの違い
給与ファクタリングに似た金融サービスとして、給与前払いサービスがあります。
給与前払いサービスとは、給与の一部を給料日前に支払うサービスです。
給与ファクタリングと酷似していますが、全く異なります。給与前払いサービスは、会社が福利厚生の一環として取り入れるサービスです。
会社が給与前払いサービスを提供する会社に申し込みを行うことで、サービスを開始できます。
従業員が給与前払いシステムを利用したい旨を伝えれば、サービス会社が従業員に給与前払い金を支払います。そして、給料日に会社がサービス会社に入金するサービスです。
つまり、会社・サービス会社・従業員の3者が参加するのが「給与前払いサービス」
給与ファクタリング会社と個人で行うのが「給与ファクタリング」ということです。
上述した給与ファクタリングは違法ですが、給与前払いサービスは合法であり、立派なサービスです。
サービス会社も会社から返済を受けられるため、安心感を持つことができます。
まとめ
今回は、給与ファクタリングの危険性や給与前払いサービスとの違いについて紹介しました。
急な入り用でお金が必要なときもあれば、出費がかさんでしまって生活費が足りなくなってしまうこともあります。
できることであれば、お金を借りるのではなく、給与の前払いを受けたいですよね。
しかし、給与ファクタリングは違法である可能性が高く、トラブルの発生原因になりかねませんので注意してください。