2019
07/04
経済・マーケット

はじめに

2019年6月18日、米IT企業Facebook(以下、FB)が独自仮想通貨Libra(リブラ)を発表しました。

2020年前半にも導入予定で、国際送金システムへの利用が見込まれます。

国際送金システムは昔から「手数料が高い」と問題視されていて、今回のブロックチェーンを用いたFBの送金システムは国際送金のあらゆるコストを削減します。

本記事では、ブロックチェーンを用いた国際送金システムが革命的な技術で、多くの人の生活をより豊かにするということをご説明していきます。

これまでの「送金」の問題点

我々がお金を3者に振り込む際、手数料やタイムラグなど様々な問題があります。

振込手数料が高い

現在、国内の預金金利は限りなくゼロに近く、銀行の預金口座で資産運用すると年率リターン1%を実現することすら難しい時代になっています。

一方で、送金の手数料を考えるとインターネットバンキングが普及し始めてからも従来の手数料は下がることなく維持されたままで、例えば現時点で少額のお金を送金するとなると216円、高額の送金になるともっと手数料がかかります。

預金金利ではほぼリターンがなく金利は下がり続ける一方で、送金手数料は従来から放置されたままなのです。

つまり、振込手数料は割高になっています。

国際送金の手数料はさらに高い

国内の銀行から海外の銀行に送金する際、「海外送金手数料」、「関係銀行手数料」、「円為替取扱手数料」の3重の手数料がかかります。

メガバンクで国際送金を利用すると1回で約1万円の手数料がかかり、さらに相手に振り込まれるまでに約1週間のタイムラグがあります。

送金システムのニーズ

世界銀行のデータによると2017年の個人間国際送金は年間約5733億ドルにのぼり世界中で国際送金の利用が高まっています。

現在の国際送金では特に、送金のタイムラグ、高い手数料など不便さが目立っています。

そういった不便さから2017年にはイングランド銀行がブロックチェーンを用いたRippleの送金システムの実証実験を行ったり、2018年にはFRBが国際送金システムの基盤としてRippleの技術を評価する報告書を発表しています。

リブラが可能にすること

リブラとは?

リブラはFBが開発した独自仮想通貨で2020年前半に正式稼働を目指しています。

FBのサービス利用者は世界で約27億人の巨大な顧客基盤を持っている企業であり、協賛企業は、Visa、MasterCard、PayPal、Uber、eBay、Spotifyなどの決済機関や巨大顧客基盤を抱える企業です。

仮想通貨は現在ボラティリティが大きく資産としての有用性はかなり低いという問題がありますが円などの法定通貨や国債などの複数の資産に100%裏付けられるためステーブルコインとしての側面を持ち、実用性を高めています。

実際、リブラは仮想通貨でありながらベネズエラ通貨ボリバルという現実の通貨よりも安定していると言われています。

リブラでより豊かになる社会

リブラはまずFB利用者から普及していきますが「国際送金の利便性を高める」という観点ですぐに世界中で利用されるでしょう。

協賛企業もVisaやMasterCardのようなすでに実店舗で取り扱いされている企業なので導入・普及のハードルは低そうです。

リブラはスマートフォンのアプリで利用可能で、国際送金の際にも銀行にいちいち出向かなくても済みます。

さらに上述した通り、国際送金では手数料が高いという問題がありますがブロックチェーンを用いれば手数料はゼロになります。
そして国際送金では1週間程度のタイムラグがありますが「数秒」まで縮められるのです。

この革命的な技術は、国際送金から日常的な買い物などにも利用されるでしょう。

Rippleも国際送金システムへ

2019年6月19日Rippleは送金業世界的大手のMoneyGram(マネーグラム)と提携を結んだことを発表しました。

同社は2016年に「内外為替一元化コンソーシアム」を立ち上げ国際送金システムにブロックチェーンの導入を考え現在まで開発を続けています。

Googleなどの巨大IT企業が出資しており、日本では最大手ネット証券のSBIホールディングスが共同で開発を進めています。

国際機関である世界銀行は2018年に行われた実証実験で「コストを40%~70%削減し、平均支払い時間は2分」であると高く評価していて、2017年にはアブダビ国立銀行が同社の国際送金サービスを提供していて、同年にイングランド銀行は実証実験を行いました。

さらに、メキシコの非銀行系金融機関Cuallixにより2018年1月に実証実験開始を発表したばかりであり、2018年5月10日には、実証実験にて米国-メキシコ間の送金コストの削減並びにスピード向上が確認されたと発表しました。

今後の仮想通貨の展開

Rippleも早期にFBと同様のサービスを開始が見込まれていて、18日のFBの発表を受けて「業界にとって大きな一歩だ」と前向きなコメントをしています。

国際送金システムから仮想通貨の普及は拡大されていき、ICOなどのさらなるビジネスへの仮想通貨導入が仮想通貨市場の安定・信頼を構築し多くの人が仮想通貨を利用する時代が来るでしょう。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

<ご注意事項>

  • 当社の所属金融商品取引業者等は株式会社SBI証券、東海東京証券株式会社、エアーズシー証券株式会社です。
  • 当社は所属金融商品取引業者等の代理権は有しません。
  • 当社はいかなる名目によるかを問わず、その行う金融商品仲介業に関して、お客様から金銭および有価証券のお預かりを行いません。
  • 各商品等へのご投資には、商品毎に所定の手数料や必要経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等は価格の変動等により損失が生じるおそれがあります。各商品等への投資に際してご負担いただく手数料等及びリスクは商品毎に異なりますので、詳細につきましては、WEBサイトの当該商品等のページ、金融商品取引法等に係る表示又は契約締結前交付書面等をご確認ください。

[金融商品仲介業者]

商号等:株式会社ウェルス・パートナー

登録番号:関東財務局長(金仲)第810号

[所属金融商品取引業者]

商号等:株式会社SBI証券

金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第44号、商品先物取引業者

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本STO協会、日本商品先物取引協会

商号等:東海東京証券株式会社

金融商品取引業者 登録番号:東海財務局長(金商)第140号

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人日本STO協会

商号等:エアーズシー証券株式会社

金融商品取引業者 登録番号:関東財務局長(金商)第33号

加入協会:日本証券業協会

ご相談はこちらから
お名前*
お名前カナ*
メールアドレス*
電話番号*
第一希望日*
ご希望のお時間*
第二希望日*
ご希望のお時間*
面談場所*
ご相談を希望するアドバイザー
当日は代表の世古口が同席する場合がございます。
大まかな保有資産額を教えてください。*
ご年収を教えてください
当社を知ったきっかけ*
ご相談内容
利用規約*
上記でご入力いただいた内容は、当社からの連絡や情報提供などに利用するためのもので、それ以外の目的では使用いたしません。
また、その情報は、当社以外の第三者が利用することはございません。(法令などにより開示を求められた場合を除きます)
詳しくは、個人情報規約をご覧ください。
https://wealth-partner-re.com/policy/