毎日動く世界の為替相場。日々のニュースにマーケットが反応し、為替相場は上下します。外貨建て資産や外貨建て投資商品をお持ちの方は、円安になれば資産は増加し、円高になれば資産は減少するため、為替の動向には敏感になっているでしょう。
それでも為替相場は複雑な要因が絡み合って動いているため、これから相場が上昇するのか、下落するのかは読みにくいものです。為替相場がどちらの方向に動くのかが分かれば、投資のスタンスにも確信をもって臨めるのではないでしょうか。
皆さんは「OANDAオープンオーダー・オープンポジション」をご存知でしょうか?
OANDAは1996年に米国で設立されニューヨークに本社を構える世界的なFXブローカーです。
そのOANDA社が世界中の顧客からの売り買いの注文状況を公開しているのが「OANDAオープンオーダー・オープンポジション」です。
日本国内の投資家だけでなく世界各国のグループ会社の保有するデータが合算されており、世界中の投資家がどんなポジションでどのようなオーダーを出しているかを、誰でも無料で見ることができます。
【参考】
https://www.oanda.jp/lab-education/oanda_lab/oanda_rab/open_position/
日本国内では外為どっとコム等が国内の口座保有者についてオーダー状況やポジション状況を公開していますが、やはりOANDAの方がデータ量は豊富です。
左側のOANDAオープンオーダーでは世界中の投資家からの売り買いのオーダー情報が掲載されています。右側のオープンポジションでは世界中の投資家のポジション情報が掲載されています。
オープンオーダーとは「未執行注文」です。どのあたりの水準で買い注文・売り注文を出しているかが分かります。
①指値売り この値段までドルが上がれば売りたい(利益確定)
②逆指値買い この値段までドルが上がれば買いたい(損切り)
③逆指値売り この値段までドルが下がれば売りたい(損切り)
④指値買い この値段までドルが下がれば買いたい(利益確定)
オレンジが利益確定ゾーンで、ブルーが損切りゾーンです。どの水準で売り買いどちらのオーダーがたまっているかをみると市場参加者の思惑が見えてきます。
オレンジの利益確定ゾーンは、ドルが上がると売りが入り、ドルが下がると買いが入るので「反発しやすいポイント」と捉えることができます。
ブルーの損切りゾーンについては注目です。ブルーのゾーンではいまポジションを持っている人が損切りを迫られます。ドルが上がると買いが入り、ドルが下がると売りが入るので、「値動きが加速しやすいポイント」であり、そこを抜けると相場に勢いがつきやすく、為替のトレンドが発生するポイントでもあります。
右側のグラフは世界中の投資家の現在のポジション(持ち高)を表しています。
オープンポジションとは「未決済ポジション」です。現在の為替相場と比較することで市場参加者の評価損益が見えてきます。
ポイントとしてはまず売りと買いで現在どちらの方のボリュームが多いかを確認します。
①売りポジション(Short)の含み益が多ければ、売りが優勢なので下降トレンドとなる可能性があります。
②買いポジション(Long)の含み損が多ければ、損切りにつながりやすいので下降トレンドとなる可能性があります。
一方で
③売りポジション(Short)の含み損が多ければ、損切りが優勢なので上昇トレンドとなる可能性があります。
④買いポジション(Long)の含み益が多ければ、買いが優勢なので上昇トレンドとなる可能性があります。
簡単にいうと、現在のレートより上側のボリュームが多ければ下降トレンド、下側のボリュームが多ければ上昇トレンドと言い換えることもできます。
まとめ
OANDAオープンオーダー・オープンポジションでは世界中の投資家のオーダーやポジションを無料で見ることができます。この情報は為替相場が今後どちらの方向に動くのかを考えるのに大きな情報といえます。FXで売買を行っている人だけでなく、為替に関心のある方は一度ご覧になってはいかがでしょうか。