目次
はじめに
たまにはゆったり美術館巡りを楽しみたい、そんな時間の使い方も素敵ですね。時間がない時は近場の展示を探すことになりますが、東京近郊だけでなく、地方にも魅力的な美術館はたくさんあります。
あまりに数が多いため、一体どこへ行っていいのかわからないという声も聞かれますし、泊りがけで小旅行気分でなければ行けない美術館もあるでしょう。
このコラムでは、一度は足を運んで頂きたい全国の美術館についてご紹介致します。場所によって特徴や展示物の内容が全く違うため、楽しみ方も人それぞれ。自分だけの楽しみ方を探してみましょう。
圧巻の陶板画は必見 「大塚国際美術館」
大塚グループがその技術を集結して徳島県鳴門市に建設した美術館です。常設展示スペースの規模は日本最大級で、延床面積は29,412平米。順路だけで約4kmもある大きな美術館です。
それもそのはず、世界26カ国・190以上の美術館が所蔵する絵画や古代壁画の複製を1000点以上も保有しているのです。それらはオリジナル作品と同じサイズというから驚きです。
「大塚オーミ陶業株式会社」の特殊技術を使い、陶器の板に「陶板画」として再現された美しい絵画は、2000年以上その鮮やかさを保つことができ、文化財の保存に大きく貢献しています。
門外不出と言われたピカソの「ゲルニカ」、エル・グレコの大祭壇なども原寸で復元。その壮大な空間は訪れた人を圧倒します。世界の名画を日本に居ながらにして味わえると大評判の美術館で、これだけを目的に徳島県を訪れる観光客も多いようです。
春夏秋冬、雨でも楽しめる!箱根ガラスの森美術館
通常の平面作品とは違い、立体的なオブジェが多い「箱根ガラスの森美術館」。日本初のヴェネチアン・グラス専門美術館です。そのロマンティックな外観から、女性に大人気となっています。
花が咲く庭園にはガラス製の東屋やガラスの木が林立し、雨の日や夜でもキラキラ美しく輝きます。コンサートや企画展も豊富で、何度訪れても違う魅力を味わえるでしょう。
ガラスの体験工房も子供に好評で、帰りはミュージアムショップでお土産を買うことも出来ます。箱根湯本の温泉へ行く機会があれば、ぜひ訪れてみたいスポットです。
触れる、撮る、体験する。現代美術なら「十和田市現代美術館」
現代美術を味わうならこちら、十和田市現代美術館をおすすめ致します。何も難しく考える必要はありません。豊富な企画展もあるので、何度でも訪れたくなる楽しい美術館です。
草間彌生、ロン・ミュエクなどの作家作品を擁し、ここでしか見ることの出来ない常設展もあります。体験することが出来る作品が多いのも大きな特徴でしょう。
平面より立体の作品が多く、庭のあちこちにオブジェが設置されています。作品の中に入る、実際に触れるといった楽しみ方で、何と館内は写真撮影も自由となっています。日常的に楽しむためには最高の展示方法ですし、素直な感受性を発揮できそうな美術館です。
子どもも大人も大満足!「三鷹の森ジブリ美術館」
入場するには事前に「日時指定チケット」をローソンで購入する必要がある、予約制の美術館です。老若男女問わず大人気のジブリ作品の世界にどっぷりつかりましょう。
ファンにはたまらない企画展示、映画上映が行われており、ゆかりのある資料を保管した図書室も見ごたえ満点です。ジブリの世界観そのものですから、子どもも大喜びするでしょう。ほぼ実物大のネコバス、屋上のロボット兵など、映画そのままの魅力が溢れています。
予約制のチケットは発売直後から一ヶ月分がほぼ売り切れ状態となりますので、混雑には要注意ですが、一度は行ってみたい美術館です。カフェやミュージアムショップも必見で、お土産には事欠きません。
世界でも珍しい!鳥取砂丘の砂と水だけで作った「砂の美術館」
最後にご紹介するのが、鳥取砂丘の砂と水だけで出来た作品を集めた「砂の美術館」です。
テーマは「砂で世界旅行」というだけあり、毎年ピックアップされる国が変わります。会期が終われば砂像は全て元の砂に崩されて還る、一年限りのはかない展示。毎年訪れるファンも多いようです
どんな美術作品と出会えるか楽しみな旅へ
ご家族で旅行する機会があったら、旅先で立ち寄れる美術館を調べてみましょう。大きな所、有名な所もいいのですが、町の人に愛される小さな美術館も素晴らしいものです。「こんなところにこんな美術館があったんだ!」という新鮮な驚きがあるかもしれません。
ご紹介した美術館はほんの一例です。普段は訪れない土地のまだ見ぬ美術館へ、あなたも旅してみてはいかがでしょうか?