2020
04/07
最終更新日:2020/04/27
経済・マーケット

はじめに

2000年ごろからIT企業が数多く台頭し、今では世界中に多数の顧客を持つ米テック企業GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)が世界を席巻しています。

また、中国ではBAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)というテック企業集団が勢力を拡大しはじめ、ニューヨーク証券取引所に上場する銘柄の中でもトップクラスの時価総額を誇っています。

昨今、それらのテック企業が様々なビジネスに参入し、テクノロジー(とりわけ人工知能)を活用し、高い利便性と利益率を実現しています。

しかし、テクノロジーの導入が大きく遅れている業界もあります。

その業界が金融・ヘルスケア・教育です。

特に最近は金融業界へブロックチェーンというテクノロジーが導入されはじめ、IT化が大幅に進んでいます。

また、米アップルは米最大手投資銀行のゴールドマンサックスと「アップルカード」を開発し、米グーグルは米大手商業銀行シティグループと銀行業務を開始する方針を立てています。

フェイスブックもリブラを開発し、金融業界に大きな変革をもたらしつつある中で、金融業界のテクノロジー化は現在進行形となっています。

一方で、ヘルスケア(医療)業界では、未だテクノロジーの導入が進んでおらず、今後は巨大テック企業が参入を検討する市場になるでしょう。

そこで今回は「AIとビジネス」、「金融業界でIT化が遅れた理由」、「ヘルスケアでIT化が遅れている理由」について解説していきます。

AIとビジネス

ビジネスにおいてAIはどのように活用されているのでしょうか?

恐らく多くの人が思い浮かべるのは「デジタル広告におけるターゲティング」でしょう。

確かに、デジタル広告では広告媒体としてのプラットフォーマー(GAFA)がユーザーの閲覧履歴や購入履歴、検索履歴をくまなく収集しデータベースとして保管しているため、特定個人の選好(好み)をそれらのデータから見抜くことが可能になります。

また、各個人の選好を特定できることから、各個人にあった商品を直接的に売ることができ、これまでの広告ビジネスを最適化することができました。

このように、AIとビジネスの関係は広告ビジネスから始まり、現在ではあらゆる場面で利用されています。

たとえば、物流業界です。

これまで小売店では在庫の過剰発注などで利益率を低めてしまうことがありました。

しかし、米アマゾンはリアル店舗のアマゾン・ゴーにて2016年から物流の最適化も試みています。

このように、テック企業は1つの産業(小売り)を中心に、それに付随する産業(物流)までビジネスの領域を伸ばしているのです。

また、このようなことができるのは、これまでIT企業を中心に大量の顧客データが収集され、AI技術が進歩したからです。つまり、今後ますますAIの活用が進みあらゆる個人の生活における利便性が高まると予想されます。

金融業界でIT化が遅れた理由

しかし、テクノロジーの導入が遅れた業界もあります。

現在、金融業界ではIT化が始まったばかりで、日本での生活ではあまり金融におけるITの利便性を感じることはないように思います。

しかし、世界では送金・決済技術が革新されており、これまで金融業界において利用されてきた技術が使われないようになっています。

しかし、なぜ金融業界でテクノロジーの導入が遅れているのでしょうか?

恐らく最も大きな理由は、革新的な金融技術を犯罪目的で利用する人がいるからです。

フェイスブックのリブラは従来の金融技術を革新し、かなり利便性の高いサービスを提供することができます。

しかし、利便性が高いというメリットと表裏一体で「誰でも使えてしまう」というデメリットを抱えることになり、犯罪絡みの資金をリブラを通して送金するとマネーロンダリング(資金洗浄)することが可能になります。

つまり、利便性の高すぎるIT化した金融技術は犯罪の温床になるのです。

金融業界のIT化は今、このような「マネーロンダリングにどう対処するか」という大きな問題に直面しています。

ヘルスケアでIT化が遅れている理由

金融業界でIT化が進む一方で、未だヘルスケア業界ではIT化が進んでいません。

金融業界のように規制が強いことなどの問題がありそうですが、実際になぜテクノロジーの導入が遅れているのでしょうか?

その理由は大きく2つあります。

1つ目は、ヘルスケアでは倫理的な問題が多数存在するからです。

ヘルスケア(医療)において、人間の命を扱うからこそ「延命治療をすべきか否か」という解決しない問題が多数存在しています。

この問題をAIが患者のデータに基づいて判断すると、多くの人から否定的な意見が出ることも予想され、やはり人間の介入余地が大きい産業であることが認識されています。

2つ目は、誰が責任を取るのかという問題が発生するからです

今後、AIによって治療や創薬が行われると予想されますが、その結果もし不慮の事故が起きた際、責任の所在が分からなくなります。

その点を考えても、やはりヘルスケアは人間の介入余地が大きい産業となっていることが分かります。

まとめ

しかし、今後のテクノロジーの流れは加速することが予想されます。

読者のみなさんもテクノロジーによってどのように生活が変わるのか想像してみると面白いかもしれません。

参考
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/17784/

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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