はじめに
日本の平均年収は441万円とかなり低い水準であり、20年ほど前と比べれば減少傾向にある平均年収。
今回は、日本の平均年収が減少傾向にある現実や理由、今後について詳しくお伝えしていこうと思います。
日本人の平均年収は減少傾向に
日本の平均年収推移を見てみると、1997年の467万円をピークに減少傾向が続いています。2008年にはリーマンショックが発生し、2009年には平均年収が406万円までガッツリ減少してしまいました。その後は徐々に回復傾向にありましたが、2018年以降は441万円程度で推移しています。
しかし1997年のときと比較しても給与水準は低くなっていることは言うまでもありません。
2020年の現在は、1990年代と比べれば比にならないほどの新たな商品やサービスの提供が開始されています。その一方で平均年収が減少傾向にあるのは問題ではないでしょうか。
そして、平均年収を男女・雇用別に見ると格差の大きさが目に余ります。
まず、2018年の男性平均年収は、545万円であるのに対して女性の平均年収は約293万円でした。男性と女性の間で発生している給与差は約250万円です。
さらに、正規雇用の平均年収が503万円であるのに対して、非正規雇用の方の平均年収は179万円です。その差はなんと、324万円です。あまりにも差が発生している点も驚きです。
もちろん、女性の平均年収が圧倒的に低い理由として、パートやアルバイトとして働かれている方が多いからというのもひとつの理由です。そして、パートやアルバイトは非正規雇用であるため、非正規雇用や女性の平均年収がある程度低くなっています。
そして、すべてを計算した結果の平均額が441万円であるということです。ただこの441万円という金額も20年ほど前と比較すれば明らかに低い金額です。日本人の平均年収が減少傾向にある証明ともいえるのではないでしょうか。
日本人の給与水準が低いわけ
日本人の最低年収や最低賃金は世界的に見ても低いと言われています。
反対に言えば、最低賃金レベルでも生活ができるという点が日本の魅力なのかもしれません。
周辺国では経済成長と同時に給与水準が上昇傾向にあるにも関わらず、なぜ日本のみが給与が上がらないのか。その一因として流動性の低さや製造業ベースである社会が指摘されています。日本という国は、良くも悪くも平等主義が強いため、給与水準がなかなか上がりにくい状況にあると考えられています。
今後はどうなる
日本の平均年収は今後、横ばいか減少傾向が続くと予想されています。
仮に平均年収が横ばいもしくは上昇したとしても、手取り額が減っていくことは覚悟しておいたほうが良いでしょう。
年金支払い額や医療費、税金までもが近い将来上がると予想されている方も少なくはありません。平均年収が変わらないにも関わらず出ていくものが一緒であれば、生活水準を落とさざるを得ません。
また、これからの生活はAIが主体になっていくことも予想されていますので、技術のいる仕事や知的な部分はすべてAIで行うこととなります。そうなれば、一部の人のみが高い給与水準を保ちながら、末端の人々の給与水準は良くて横ばいとなっていくでしょう。
まとめ
今回は、日本の平均年収が減少傾向にある現実や理由についてお伝えしてきました。
現在の日本の平均年収は441万円と、1997年と比較すればとても低い水準となっています。今後も平均年収は良くて横ばいというところですが、社会情勢によっては出ていくお金が多くなっていくことでしょう。
平均年収が変わらないにもかかわらず、出ていくお金が増えるということは、今の生活水準すらも保てなくなる可能性が高いです。良くも悪くも平等主義が強い日本だからこそなのかもしれませんね。