2020
11/25
不動産

はじめに

更新型の生命保険に加入していると、およそ10年に1度、保険を更新する必要があります。

これは、保険会社の戦略です。初めの保険料は安くして加入させ、ある程度の年月が経ったら保険料を上げるというものです。

更新によって保険料が大幅にアップしてしまうのを知って驚く方は多いと思います。そして、更新すべきか、解約して乗り換えるべきか、迷われる方が多いと思います。

実は、更新型の生命保険には共通の見直しのポイントがあります。

1.更新型の生命保険とは何か

更新型の生命保険とは「10年ごと」「15年ごと」といった決まったタイミングで契約更新が行われるタイプの生命保険です。

更新のたびに保険料が高くなります。若いうちは割安ですが、更新ごとに大幅に保険料がアップしていきます。

(1)主契約である「終身保険」

更新型の生命保険を構成するのは、「終身保険」とその他の「特約」です。

終身保険とは、一生涯の死亡保障がついた生命保険を指します。

一般的に終身保険の死亡保障の金額は数百万円程度なので、自分の身に万が一のことがあった時の整理費用(葬儀代など)程度です。遺族のその後の生活費等としては期待できません。

しかし、終身保険は掛け捨てではなく貯蓄性があります。一定期間保険料を払い込んだ後で解約すると、それまでに支払った保険料総額より多くの解約返戻金を受け取ることができるものもあります。

ただし、更新型生命保険の中には、主契約となる終身保険の死亡保障が50万円~100万円と非常に低く抑えられていて、保障も貯蓄も名目だけになっているものも多いです。

何故なら、終身部分を厚くすると保険料が跳ね上がるため、保険会社が意図的に下げているのです。

(2)中心は「定期保険」などの掛け捨て部分

更新型生命保険には、定期保険や医療保険・介護保険といった別の種類の保険が「特約」として付いています。いずれも保険料は中途解約したら1円も戻ってこない「掛け捨て」です。

ただし、「特約」と言いながら、保障の内容・保険料いずれの観点からみても主契約の「終身保険」より存在感が強くなっています。

定期保険
保険期間が限定され、保険料が掛け捨てとなるタイプの生命保険です。

解約時の返戻金もありません。一方で終身保険より断然安価な保険料で、数千万円程度の死亡保険金を確保できるため、自分に万が一のことがあった場合に遺族の生活費等を準備する目的で契約するのに適しています。

医療保険
病気やケガについて「入院日額5000円」「手術1回10万円」といったかたちで保障を行う保険です。

ただし、昨今は入院期間の短期化や、医療費の大半を公的な保障で賄えることが多いことから、優先順位は他の保障と比べて低くなっています。

介護保険
所定の介護状態になった場合に給付金を受け取れるタイプの保険です。給付金には、一気に全額を受け取れる「一時金」タイプと、毎年一定額を受け取れる「年金」タイプがあります。

更新型生命保険では、これらの掛け捨ての特約分の保険料が、更新ごとにアップしていきます。

2.更新型の生命保険は、どのように見直すとよいか

更新型生命保険には、多少のタイプの違いこそあれ、おおよそこのように見直すと良いというやり方があります。

(1)保険料がアップするのは特約部分のみ

まず見直しの前提として、どうして更新型生命保険の保険料が値上がりするのか覚えておきましょう。

前述のように、更新型の生命保険を構成しているのは主に「終身保険 + 特約(定期保険・医療保険など)」です。

終身保険部分の保険料は更新による変化がない一方で、特約部分の定期保険や医療保険は更新を迎えるごとに値上がりしていきます。

(2)主契約の終身保険は残す

主契約となる終身保険部分の保険料は、更新によって値上がりすることはありません。

また、契約期間が長くなるほど解約した際に受け取れる「解約返戻金」の額は多くなり、一定期間経過後は、それまでに支払った保険料総額より高くなります。

そうなる前に解約してしまうと元本割れをして、保険料を損してしまうことになります。

特に、若い時から契約し続けているのであれば、マイナス金利の今よりも利率がよいはずです。

そのため基本的には主契約となる終身保険は、残すというのが基本戦略となります。

(3)特約部分は全面的に見直し

更新型生命保険の保険料が値上がりする要因は、特約部分の定期保険や医療保険、介護保険などです。

特約部分の保険料は、保障内容を変えないのであれば、更新のたびに1.5~2倍に跳ね上がることもあります。

ですので、特約部分についてはよくチェックして、いらない部分を削ぎ落しましょう。

(4)営業マンがすすめる「転換」には注意が必要

更新型生命保険の更新のタイミングよりかなり前に、営業担当者が「年齢が上がってから更新すると保険料が値上がりしてしまう。だから今のうちに新しい保険に切り替えませんか」などと言って、契約の「転換」をすすめてくることがあります。

この転換をすると一見、毎月の保険料が安くなるように見えます。しかし、これには裏があるので、あまりおすすめしません。

転換とは、加入中の保険を解約し、新しい保険に乗り換える時に、加入中の保険の主契約(終身保険)で貯まっているお金(解約返戻金)を新たな保険の保険料にあてることを言います。

この場合、新たな保険に乗り換えたことで、保険料が安くなったように見えます。

しかし、安くなったのは、今まで貯めてきたお金が、新たな保険の本来の保険料の額から差し引かれたからにすぎません。

これらのことを考えると、担当者から転換を勧められた場合、応じることはおすすめできません。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者3万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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