はじめに
日本国に住民票を置いている方であれば必ず、個人番号(マイナンバー)を持っています。
しかしなぜ、マイナンバー制度があるのか理解している方は少ないでしょう。
今回は、そもそもマイナンバーとは何か?についてお伝えするとともに、マイナンバーと銀行口座の紐付け理由について、詳しくお伝えしていこうと思います。
マイナンバーとは
マイナンバーとは個人番号のことであり、個人の識別番号として、日本の各市区町村に住民票がある人に付けられます。
マイナンバーは、日本において行政のさまざまな物事に対する効率性をあげ、利便性を向上させるために始まりました。
2015年10月に順次マイナンバーの通知が始まり、2016年1月1日から本格的な運用が始まりました。
2016年から始まったマイナンバー制度ですが、実際に利便性を感じている方は少ないでしょう。会社からマイナンバーについて聞かれたり、税務申告をする際にマイナンバーを記入したりなどする程度でしょう。
実際、2016年から本格運用が始まったとは言え、通知カードを持っているだけではとくに利便性は向上しません。
「マイナンバーカード」を発行することではじめて、行政面や税務申告面での利便性が向上します。2020年9月1日からは、マイナンバーカードを所有している人を対象に、「マイナポイント」というサービスが開始されます。
2016年に個別番号が記載されたカードが届いたはずです。そのときに受け取ったカードはあくまでも「通知カード」、いわゆる個人番号通知書です。
個人番号通知書は、現時点で「マイナンバーを知るための書類」でしかありません。
マイナンバーカードの普及率は、16%程度とかなり低いです。
そんなマイナンバーですが、マイナンバーカードがなければまったく使い物になりません。
ところが、マイナンバーと銀行口座を紐付けるとの話が話題となりました。
いったいマイナンバーと銀行口座の紐付けとはどういうことなのか、詳しく解説いたします。
マイナンバーと銀行口座を紐付け
高市総務大臣は、6月にマイナンバーと銀行口座を紐付けに向けた取り組みを行うことを明らかにしました。可能であれば、マイナンバーと口座番号の紐付けを「義務付けたい」とも言っており、今後紐付けが実現するのではないかとの見方が強まっています。
ではなぜ、マイナンバーと銀行口座を紐付ける必要があるのか。一番の目的は、特別給付金などを迅速に給付するためです。
2020年には、新型コロナが猛威を振るい、全国民に対して一律10万円を給付しました。
しかし、給付決定から実際の給付までの日数に時間がかかってしまい、「迅速」という部分が欠けてしまっていました。
経済的に困窮している人からすれば、1日でも早く手元に現金がほしいはず。
しかし、煩わしい事務手続きで実際の支払いまでには、日数がかかってしまうという状況がありました。
マイナンバーと口座を紐付けることで、特別給付金などの支払いを迅速化させることが狙いです。また、“義務化”することで、一部の人のみならず、すべての人に対して迅速な対応ができるため、義務化を目指したいわけです。
紐付けすることで何が変わるのか
マイナンバーカードと銀行口座の紐付けで、資産状況を把握されたりなどの不利益が生じるのではないか?と考える方も多いです。
実際、資産状況を把握される可能性はありますが、デメリットとは言えないでしょう。
資産状況が知られたところで、何も変わるわけではありません。
マイナンバーと銀行口座の紐付けで変わるのは、特別給付金の「迅速さ」だけではないでしょうか。
まとめ
今回は、マイナンバーと銀行口座の紐付けについて紹介しました。
2016年に本格的に始まったマイナンバー制度ですが、実際にマイナンバーの利便性を実感している方は少ないです。
しかし、マイナンバーと銀行口座を紐付けておけば、今後また訪れるかも知れない特別給付金の支給の際には、利便性を感じられることでしょう。