はじめに
競馬が好きな富裕層の方であれば、きっと一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
“馬主”という夢を。
馬主になるのはそう簡単ではありません。
しかし、自分が見込んだ馬がおもいっきり走って、レースで結果を残してくれれば、最高に気持ちが良いです。
一攫千金も夢ではない馬主ライフ、いったいどうすればなれるのでしょうか。
今回は、馬主になるための要件や、一口馬主という選択、賞金の配分や税金など、細かく紹介していきます。
馬主になるには
馬主と一口に言っても、個人馬主、組合馬主、法人馬主の3種類があります。
もっともポピュラーな馬主は個人馬主であり、ほとんどの方が個人馬主からスタートします。
また、馬主のうち約85%が個人馬主です。
個人馬主になるためには、いくつかの要件を満たす必要があり、簡単に馬主になれるわけではありません。
まず、日本中央競馬会競馬施行規程に定める事項に該当しないことが条件です。
そのうえで、継続して1,700万円以上の所得が見込めること、過去2年以上の所得が1,700万円以上であること。
なお、あくまでも所得金額であり、収入金額ではない点に注意が必要です。
また、競馬賞金等の一時所得は含みません。
そして、継続的に保有する資産の額が7,500万円以上あることが条件です。
いずれの条件をクリアし、馬主になれたとしても、競走馬の購入費用や維持費が重くのしかかります。
競走馬は数百万円から購入できますが、サラブレッドになると数億円の値が付くこともあります。
購入したあとも、エサ代や健康管理費等さまざまな費用が発生しますが、年間300万円~400万円程度です。
一口馬主での所有
個人馬主としての要件が厳しい方や、多額の資金を継続して拠出できない方は、一口馬主という選択もありです。
一口馬主とは、一頭の馬に対して口数分の出資者がお金を拠出し、馬主となる方法です。
個人馬主とは少し異なり、レトセンや厩舎訪問、引退意思決定など、できないことはあります。
ですが、馬主席への入場や口取り式への参加などは認められているため、自分の馬を持てる感覚を味わえることでしょう。
そして、自分の馬がレースに勝利し、賞金を獲得すれば、口数に応じて賞金が支払われます。
一口馬主は、特に要件を満たす必要はなく、だれでも馬主になれます。
ただし、人気の高い馬であれば、抽選となりますので、所有できない可能性もあるので覚えておきましょう。
馬主の収益性と税金
毎年約4000頭の馬がJRAでデビューをします。
デビューした馬はまず、新馬戦から始まり、新馬戦で勝てなかった馬は未勝利戦へ行きます。
新馬戦・未勝利戦の年間レースは1380レースですので、4000頭のうち勝利を挙げられる馬は1380頭です。
少ないですよね。
実際、多くの馬が結果を残すことなく競馬界から去っていきます。
結果を残せなくとも、出走奨励金としていくらかは支払われますが、微々たるものです。
馬の維持費にも充てられません。
もし仮に、保有している馬がG1などで大活躍するような馬になれば、一攫千金も狙えます。
レースのみでもっとも稼いだ馬、キタサンブラックは、演歌歌手・北島三郎氏が所有していたことで有名でした。
キタサンブラックは現役レースで約19億円もの大金を稼ぎました。
ちなみに、レース賞金の配分は、馬主が80%・調教師10%・騎手5%・厩務員5%です。
もしも、一着賞金3億円のレースで勝利すれば、馬主に2.4億円もの大金が入ります。
宝くじのような要素を持つ競馬ですが、しっかり税金を納めなければいけません。
競馬の賞金から得た所得は、一時所得として、所得税・住民税の課税対象です。
正しく申告し、正しく馬主ライフを楽しみましょう。
まとめ
今回は、馬主について紹介しました。
初期投資費用やランニングコストは決して安くはない馬主ですが、一攫千金も夢ではありません。
競馬でもっとも稼いだキタサンブラックは、決して良血馬ではありません。
新馬戦の人気も薄かったキタサンブラックが、頭角を現し、G1レースを次々と制覇。
いつどこで何が起こるかわからないのが競馬です。血統がすべてではないと証明してくれました。
富裕層の遊びの1つとして、馬主という選択肢を考えてみてはどうでしょうか。