目次
はじめに
「住宅ローン難民」という言葉を耳にしたことはありますか。
住宅ローン難民とは、「住宅ローンを借りたが返済が困難になった人たち」のことです。
住宅ローンを借りるときは、誰しも返済できないと思って借りません。
しかし、収入の低下や急な病気などの不測の事態から住宅ローンの返済に行き詰まることがあるのです。
住宅ローンの返済に行き詰まった先にあるのが「返済したくても事情により返済できない」という住宅ローン難民化になります。
新型コロナウイルスの感染拡大により、住宅ローン難民が増えると予想されています。
住宅ローンの返済に行き詰まるとどうなるのでしょう。
そして、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、なぜ住宅ローン難民が増えるのでしょうか。
新型コロナウイルス感染拡大に伴い注目されている「住宅ローン難民の問題」について解説します。
住宅ローンについて
住宅ローンは最も身近なローンサービスのひとつです。
住宅取得の際の資金調達を目的として使われるローンです。
金融機関によっては住宅取得だけでなく、諸費用も含めて貸してくれることもあります。
住宅ローンの特徴は「身近である」「よく使われている」「高額を借入れるローンである」「長期返済型のローンである」という点です。
住宅ローンは身近であるからこそ、「住宅ローン減税」なども創設されています。
ビジネスローンやカードドローンには、ローン減税などはありません。
しかし、住宅ローンには住宅ローン減税があります。
これは、住宅ローンが富裕層から一般家庭まで、身近なローンサービスであることの裏付けではないでしょうか。
住宅ローンは住宅取得の5件に4件は住宅ローンを利用しているといわれています。
また、住宅取得費用は高額になりがちです。
住宅ローンは高額融資に対応し、借入れた高額を長期間で返済するという特徴もあります。
住宅ローンを返せないとどうなるのか
住宅ローンは返済が長期に渡るローンなので、年収低下や病気などの突発的な事態で返済苦に陥る可能性があります。
住宅ローンの返済で困ったら、借入先の金融機関に相談することで返済計画の見直しなどが可能です。
ですが、返済に充てる資金の捻出が難しい場合は金融機関に相談して解決をはかることにも限界があります。
住宅ローンを返せないと、最終的に家は競売に付されます。
競売とは、不動産などを強制的に売却される裁判所手続きです。
競売に付された場合、売却金は通常の不動産売却相場よりかなり低くなるという特徴があります。
競売後に残債があれば、当然ですが返済しなければいけません。
債務額や状況によっては自己破産などを検討するという方法もあります。
自己破産は債務の免責を受ける裁判所手続きです。
自己破産には「生活に必要な最低限の資産以外は失う」「官報に住所氏名が掲載される」「暫く借入が難しくなる」などのデメリットがあります。
どのような結末に至るにしろ、住宅ローンの滞納・返済不能がマイナスになることに変わりありません。
住宅ローン難民は富裕層にも他人事ではない理由
住宅ローンの返済苦・滞納不能に陥る「住宅ローン難民」は、富裕層にとっても他人事ではありません。
今回の新型コロナウイルスの感染拡大では、以下の理由から、すぐそこに住宅ローン難民のリスクが潜んでいるといっても過言ではありません。
住宅ローンの借入額は年収に関係している
住宅ローンの借入額や返済の目安には、何かと「年収」が使われます。
たとえば、住宅ローン1年あたりの返済負担は年収・手取りの20%が目安です。
手取り1,000万円の人と400万円の人では、住宅ローンの返済負担の目安に差が出、借入額自体にも差が出るのは一目瞭然です。
住宅ローンは年収に深い関係があるため、年収が多い富裕層ほど多くの額を借りがちなローンになります。
富裕層も住宅ローンの滞納や返済苦とは無関係ではないのです。
新型コロナによる経営難や倒産が相次いでいる
2020年4月17日の時点で、新型コロナ関係の経営破綻は全国で66件となっています。
経営破綻が特に多いのは東京都と北海道で、それぞれ11件と10件です。
富裕層は会社経営層も多いため、経営難や倒産が生活状況に直結するリスクがあります。
新型コロナ感染問題が長引くと、生活やローン返済への影響もそれだけ大きくなる可能性があるのです。
これは、富裕層も同じになります。
新型コロナによる先行きの不透明化
新型コロナの場合、問題がどの時点で収束するか不透明なのが現状です。
年収や就職、事業などへの影響がすでに指摘されていますが、この状況がどのくらい続くか予測不能な状態だといえます。
富裕層の年収や経営している事業への影響も考えられることから、住宅ローン返済にも暗い影を落とす可能性があるのです。
まとめ
新型コロナウイルス問題の恐ろしいところは、感染拡大だけでなく、経済や身近なサービスにも影響が波及するところではないでしょうか。
住宅ローンでは年収に関係なく住宅ローン難民が出るリスクが指摘されています。
住宅ローンの返済に苦慮していなくても、定期的な収支やポートフォリオの見直しは重要です。
ひとつの機会ととらえて、資産状況を見つけなおしてみてはいかがでしょう。