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はじめに
資産運用にリスクはつきものです。そのリスクをどのように軽減するのか、またそのリスクとどう向き合うかという視点は、資産運用では必ず考えないといけない事項であると言えるでしょう。
今回は、そのリスクを分散する分散投資をする方法について、今回は記事を書いてみたいと思います。
複数の資産を組み合わせて保有する必要性
投資の運用成績は、ずっと右肩上がりということはありません。投資している限り、値を下げてしまう時期は存在します。だからこそ、値動きの異なる複数の資産に分散投資することで、資産の価格変動のリスクを軽減することが必要です。
そこで、複数の金融商品をどのように組み合わせて資産の価格変動リスクを軽減するかという、資産のポートフォリオを組んでの分散投資をする方法を考える必要があります。
どう組むか
この点については、絶対的に、こういう組み合わせで資産を組み合わせて分散投資したらよいというものは、ありません。金融資産にも本当に様々な資産がありますし、単純な組み合わせだけでも、いろんな組み合わせがあります。また、投資家のリスク許容度や目指すリターンによっても異なります。
ただ、投資家にとってポートフォリオを組み方については、以下の2つの方法があるといえるでしょう。
・GPIFの資産配分を参考にする
GPIFとは、国民の年金の管理運用を行っている年金積立金管理運用独立行政法人のことを指します。
このGPIFの資産配分を参考にして、ご自身で、適切な資産配分を考えるのが、資産のポートフォリオを組む一つの方法です。
このGPIFの資産配分は、2018年末時点で、国内債券35%、国内株式を25%、外国債券15%、外国株式25%の比率となっており、平成30年度の収益率は+1.90%(運用手数料控除前)で、2001年以降の年率の収益率は+3.03%となっています。(※1)
20年近くの運用で、およそ年平均3%の運用成績を上げていますので、比較的妥当な資産ポートフォリオだと考えることができるでしょう。
特に、今まで全く資産のポートフォリオについて考えたことのない方であれば、一つの目安になる基準を参考にするという方法もありです。
これらの資産に投資する投資信託やETFをご自身で組み合わせ、金額を調整し、いったんポートフォリオを組んで、分散投資の運用をしてみます、その後、慣れてきたらご自身で配分を見直すという方法もありでしょう。
・専門家の力を借りる
もう一つの方法は、専門家の力を借りることです。具体的には、信頼できそうな資産アドバイザーを見つけ、ご自身の最適なポートフォリオを提案してもらうという方法です。
ポートフォリオの組み方については、専門家で様々なデータを保有しています。そういったデータに基づいて、自力でポートフォリオを組むことは、専門家ではない投資家にとって簡単とはいえません。ですので、ご自身で組むのが難しいと感じる場合は、専門家の力を借りて分散投資をするのも有力な手段です。
もちろん、専門家であれば、誰にでも依頼すればよいというわけではありません。
ポートフォリオの作成時には、ご自身のライフプランや投資経験やリスク許容度など、アドバイザーに個人的な情報を様々提供することになります。安心して話すことができ、力量のあるアドバイザーを、しっかり選ぶことも、とても大事になってきます。
分散投資しても短期的に資産が下落することがある点に注意
資産のポートフォリオを考えて、分散投資をすることは、大事ですが、これにより資産の値下がりが、なくなるわけではありません。単一の資産に投資するときよりは抑えることはできますが、それでも大幅に値下がりすることもあり得ます。
分散投資は、万能の手段ではありません。分散投資しても、ときには大幅な資産の値下がりがあり得ることを念頭において、資産運用を行っていく姿勢もとても大事です。
世界経済がグローバル化している現在社会においては、世界中の経済の連動性が高まっています。一つの国が不況になれば、連鎖機的に他の国が不況になるという様相が、過去の歴史上、極めて顕著です。
実際に、リーマンショックなど、世界的にあらゆる資産価格が同時に暴落する出来事は、近年ではまれな出来事ではなくなってきています。
ただ、そういった出来事があった場合に、資産の価格が暴落しても、時間が経過すれば、資産価格は回復しています。
GPIFの運用でもリーマンショックが発生した2008年の収益率は‐7.57%ですが、翌年の2009年は7.91%です(※2)。そして前述の通り、ここ20年の年率の収益率は平均で3%近くになっています。
まとめ
分散投資は資産運用では、とても大事な考え方です。まだ分散投資を行っていない方については、一度、GPIFのポートフォリオを参考にしたり、信頼できる資産アドバイザーにご自身の最適なポートフォリオを提案してもらうなりして、一度資産配分を考えてみることをおすすめします。
また、短期的には、それでも資産価格が下がる時期があることは否定できませんが、長い目でみれば、安定的に資産を増やしていけますので、長期的な視点で資産運用の結果を見ていく姿勢もとても大事です。
※1 出所)年金積立金管理運用独立行政法人ホームページ
2018年度の運用状況 資産構成割合
https://www.gpif.go.jp/operation/last-years-results.html
※2 出所)年金積立金管理運用独立行政法人ホームページ
2018年度の運用状況 運用実績
https://www.gpif.go.jp/operation/last-years-results.html