2024
04/04
資産運用入門

はじめに

富裕層の資産運用において、証券担保ローンは重要な手法として注目されています。証券担保ローンをうまく活用することで、資金調達の柔軟性を高めると同時に、資産運用の効率化を図ることが可能となります。本記事では、証券担保ローンとは何か、富裕層向けの証券担保ローンのメリット、デメリットに加えて、効果的な活用法について解説いたします。保有資産をもとに、レバレッジを効かせた資産運用が可能になると話題の証券担保ローン。本記事が、富裕層の方々の資産運用の一助となれば幸いです。

証券担保ローンとは?

証券担保ローンとは、投資家が保有する有価証券(株式や債券、投資信託など)を担保にして、証券会社などの金融機関から資金を借りることができるサービスです。

証券担保ローンは、原則として資金使途が自由です。自己保有の有価証券を担保にしているため融資までのスピードが早く、利用しやすい点が魅力といえるでしょう。

証券担保ローンのメリット

低金利での資金調達が可能です。一般的なローンよりも金利が低いため、費用を抑えながら資金を調達することができます。また、保有資産を売却する必要がないため、長期的な資産運用計画を立てやすくなります。

流動性の向上

証券担保ローンの最大の利点は、有価証券を売却することなく必要な資金を確保できることです。

意図しないタイミングでの資産売却を避けられることから、長期運用のメリットを享受できます。

また、保有資産を売却しないため、株式の場合は配当金や株主優待、債券の場合は利息を受け取りながら資金を調達できる点もメリットです。

税制上の利点

証券を直接売却する代わりにローンを利用することで、売却益への課税を避けることができます。これは、長期投資による資産増加を目指す投資家にとって大きな利点です。

低金利

証券を担保にしたローンは、無担保ローンに比べて金利が低いこともメリットです。これは、信用力のある有価証券を担保にすることにより、金融機関にとって有利な条件で貸し出すことが可能であるためです。

なお有価証券担保ローンの金利は、金融機関や有価証券の種類によって異なりますが、概ね1%〜3%程度です。

柔軟な利用用途

証券担保ローンは、資金使途が自由なこともメリットです。調達した資金は、不動産購入、事業資金、子供の留学費用、車両購入など、さまざまな用途で利用できます。

また、証券担保ローンで調達した資金は、有価証券の投資に利用できる点も特徴です。これにより、自己資金にレバレッジをかけた資産運用が可能となります。

通常、銀行など金融機関のローンは、投資目的での借入ができないため、この点は証券担保ローン特有のメリットといえるでしょう。

富裕層向け証券担保ローンのデメリット

証券担保ローンのデメリットとしては、担保となる有価証券の価格変動リスクがあります。市況の変動によって担保価値が減少する可能性があるため、そのリスクを考慮しなければなりません。また、借入期間中に証券価格が変動する場合には、そのリスクに対応する必要があります。

担保割れのリスク

市場の変動によって担保の価値が下落すると、追加担保の差し入れが必要になることがあります。これに応じられない場合、担保証券の強制売却が行われる可能性があります。

なお、有価証券担保ローンには、担保となる有価証券の種類によって、担保掛け目(担保時価に対して借入ができる割合)が定められています。

担保掛け目は一般的に債券が高く、価格変動の大きい株式はあまり高くありません。また、金融機関によっても異なります。

金融機関によって利用できる有価証券が異なる

証券担保ローンは、金融機関によって利用できる有価証券の種類に制限がある場合が多く、ローンの条件や評価基準が異なります。

特に、国内株式のシングルストックローン(1銘柄の株式を担保にしたローン)に対応する証券会社は少ないのが現状です。

利息負担

有価証券担保ローンを利用するには利息が伴います。このため、証券担保ローンを利用して、利回りの低い債券に投資する場合は、期待通りの収益が得られない可能性があります。

富裕層向け証券担保ローンの活用法

証券担保ローンを利用して有価証券へ再投資を行うことで、資金の効率化が図れます。

ただし、有価証券担保ローンには、担保資産の価格変動リスクが伴うため、適切なアドバイスやプランニングを受けながら、上手に活用していきましょう。

最後にもう一度、証券担保ローンのメリットと活用法をまとめます。

迅速な資金調達が可能:自己保有の有価証券を担保にするため、迅速な資金調達が可能です。

保有資産の売却が不要:保有資産を売却せずに資金調達ができます。例えば保有資産が株式の場合、株主としての権利を保ったまま資金調達が可能となります。

再投資:証券担保ローンで調達した資金を有価証券に再投資することで、レバレッジを効かせた資産運用が可能になります。

富裕層向け証券担保ローンは、資産運用の効率を高められる有益な手法である一方で、リスク管理が重要です。十分な情報収集と専門家のアドバイスを受けながら、無理のない範囲で利用することが重要です。

ウェルス・パートナーでは、これまで多くの富裕層の方々に証券担保ローン活用のアドバイスをさせていただきてきました。

証券担保ローンに強い金融機関のご紹介も可能ですので、ぜひ気軽にご相談ください。

本記事の著者

世古口俊介
世古口俊介 代表取締役
プロフィール
2005年4月に日興コーディアル証券(現・SMBC日興証券)に新卒で入社し、プライベート・バンキング本部にて富裕層向けの証券営業に従事。その後、三菱UFJメリルリンチPB証券(現・三菱UFJモルガンスタンレーPB証券)を経て2009年8月、クレディ・スイスのプライベートバンキング本部の立ち上げに参画し、同社の成長に貢献。同社同部門のプライベートバンカーとして、最年少でヴァイス・プレジデントに昇格、2016年5月に退職。2016年10月に株式会社ウェルス・パートナーを設立し、代表に就任。超富裕層のコンサルティングを行い1人での最高預かり残高は400億円。書籍出版や各種メディアへの寄稿、登録者14万人超のYouTubeチャンネル「世古口俊介の資産運用アカデミー」での情報発信を通じて日本人の資産形成に貢献。医師向けサイトm3.comのDoctors LIFESTYLEマネー部門の連載ランキング人気1位。
当社での役割
超富裕層顧客の資産配分と税務の最適化提案。
特に上場会社創業者の複雑な相続対策や優良未上場企業の組織再編に注力。
同社の代表として書籍の出版や日本経済新聞、週刊東洋経済、ZUUonlineなど各種メディアへの寄稿、投資教育普及のために子供向けの投資ワークショップなどを開催。

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