目次
はじめに
富裕層にとって、資産運用は重要な課題です。しかし、どのような相談先を選ぶべきかは悩ましい問題でしょう。銀行・証券会社・IFA(独立系ファイナンシャル・アドバイザー)など、さまざまな選択肢がありますが、それぞれに特徴や利点があります。
本記事では、富裕層の方々にとって最適な資産運用相談先について詳しく解説し、選択する際のポイントをご紹介します。資産規模やニーズに応じた相談先の選び方を理解し、賢い資産運用の選択をする手助けになれば幸いです。
銀行、証券会社、IFAの特徴
まずは、銀行・証券会社・IFAのそれぞれの特徴を見ていきましょう。
銀行の特徴
比較的身近な金融機関である銀行は、金融商品の販売以外にも、預金や融資などの金融サービスを提供しています。資産運用に関しては、銀行の投資信託や生命保険、預金型商品などが主な選択肢となります。
取り扱うさまざまな金融商品について、比較的総合的なアドバイスをしてもらえるのが特徴です。
メガバンクを中心に、行内に富裕層専門にサービスを提供する「富裕層専門部門」を設置しているところもあります。これは海外で言うところのプライベートバンクです。プライベートバンク専業の企業がない日本では、このように金融機関の中にプライベートバンクの機能が含まれています。
証券会社の特徴
証券会社は主に株式や債券、投資信託などの金融商品の取引を行っています。投資家向けに情報提供やアドバイスを行っており、専門的な資産運用の相談にも対応しています。
金融商品の販売と運用に特化しているため、蓄積されたノウハウや専門知識は銀行に勝る部分があるでしょう。
また、証券会社の中にもプライベートバンク機能を備えているところがあります。一般的な金融商品に止まらず、IPOの優先割り当てや富裕層限定のラップ口座など、証券会社ならではの特別なサービスが提供されています。
IFAの特徴
IFAはIndependent Financial Advisorの略で、独立系の資産運用アドバイザーです。独立して活動しているため、特定の金融商品に偏ることなく、クライアントに最適な資産運用のアドバイスを提供します。クライアントのニーズに合わせた、カスタマイズされたアドバイスを重視することが特徴です。
銀行・証券会社・IFAのサービス内容の比較
次に、銀行・証券会社・IFAのサービス内容を比較してみましょう。
銀行のサービス
前述の通り幅広い金融商品を取り扱う銀行ですが、それに加え、富裕層専門では以下の商品に力を入れています。
〈銀行の富裕層部門で扱われる商品の一例〉
・劣後債・優先株などの「ハイブリッド証券」
・EB債やリンク債などの「仕組債」
・相場が上がっても下がっても利益を狙える「ヘッジファンド」
このような資産を従来の資産とともにポートフォリオに組み入れることで、顧客一人ひとりに最適な投資戦略をとることが可能です。富裕層部門を持つ銀行の多くは海外のプライベートバンクと提携しており、海外からの情報も入手できます。
証券会社のサービス
証券会社では幅広い金融商品が取り揃えられているのはもちろん、運用に特化した専門家のアドバイスが聞けることに魅力があります。
また、金融機関の領域を越えた「非金融サービス」にも注目です。事業承継の支援や事業の後継者の教育など、富裕層の人生を支えるコンシェルジュのような役割まで担います。主な「非金融サービス」の例は以下の通りです。
〈富裕層専門部門による非金融サービスの例〉
・高級ゴルフ場の提供
・ブラックカードの発行
・宝飾品などのオークション代行
・オーダーメイドの旅行あっせん
・高度医療・高額介護サービスの紹介
・受験・留学・経営者教育などの教育サービスの提供
IFAのサービス
銀行や証券会社とは異なり、個人で活動することの多いIFAはきめ細やかなサービスが提供できます。商品購入前の相談から商品購入後のアフターフォローまで1人の担当者がサポートしてくれるため、長期間に渡って信頼関係が築きやすいでしょう。
金融商品の選定やアフターフォローの際に的確なアドバイスをしてくれるだけでなく、他の専門家との連携など、顧客一人ひとりの状況に合わせたサービスを提供してもらえます。
〈IFAのサービスの例〉
・金融商品の選定と販売
・運用状況の分析とアフターフォロー
・税理士や弁護士などの他の専門家との連携
富裕層に適した資産運用相談先の特徴
ここまで銀行・証券会社・IFAそれぞれについて解説してきましたが、いずれを選ぶにしても具体的な相談先の選定が必須になります。富裕層に適した資産運用の相談先を見極めるための基準を紹介していきます。
資産規模に応じたサービスや専門知識を持っている
相談や事業承継対策のニーズに応えられる
取り扱う投資商品の種類が自分に合っている
中立性と信頼性がある
資産規模に応じたサービスや専門知識を持っている
資産規模が大きい富裕層の場合、それに応じた資産運用のサービスや専門知識を持つ相談先を選定することが必要です。特に富裕層専門部門を持つ銀行・証券会社・IFAは、株式や債券などの従来の金融資産よりも取り扱いが難しい、仕組債やオルタナティブ投資商品を扱わなければなりません。
それらの資産をポートフォリオに組み入れて適切に管理するには、富裕層にとっての多様な投資スキームに対応する必要があります。
相続や事業承継対策のニーズに応えられる
富裕層にとっては相続や事業承継対策も重要なテーマです。相続税の負担が大きくなると予想される富裕層には相続税の節税対策が必須だからです。また、事業承継をスムーズにおこなうことで、世代を越えた資産の保全も可能になります。
そのため、資産運用相談先は相続対策や事業承継に精通していることが望ましいでしょう。必要に応じて弁護士や税理士などの各専門家を紹介してもらえるかも確認しておいてください。
取り扱う投資商品の種類が自分に合っている
各相談先によって取り扱う投資商品が異なるため、ポートフォリオ全体のリスクの度合いにも差が出てくるでしょう。自分の投資スタイルや目的に合った投資商品を提供しているかが、資産運用相談先の選択においては重要な要素となります。
可能であれば最初に無料相談などを利用し、どのような商品を紹介してもらえるかを確かめたほうが良いでしょう。
中立性と信頼性がある
資産運用相談先の中立性と信頼性も重要です。信頼できる情報を提供し、クライアントの利益を最優先に考えることができる相談先を選ぶことが重要です。
企業やIFAの公式サイトには、これまでの実績や口コミが掲載されていることもあります。「特定の商品にこだわらず顧客一人ひとりにカスタマイズされた提案をしているか」「事業内容が公表されていて、透明性があるか」という目線で吟味してください。
まとめ
富裕層の資産運用では、最適な相談先を選ぶことが運用の成否を分けると言っても過言ではありません。それぞれの相談先の特徴や利点を理解し、資産規模やニーズに応じて選ぶことが重要です。
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