1.はじめに
近年、伝統的な証券会社とは別に、独立して金融商品を販売する業者が出てきていることをご存知でしょうか。
独立系の金融業者はIFA(Independent Financial Advisor)と呼ばれ、金融機関に属さず中立的なアドバイスを行えることを強みに活動の幅を拡げています。
欧州ではIFAは弁護士や税理士と並ぶ地位を確立しており個人の資産運用において重要な役割を担っています。
2.IFAが仲介している金融商品とは
IFAは複数の金融機関と提携しており、提携している金融機関の商品を顧客にあわせて提案をします。複数の金融機関と提携することで、その金融機関が売りたい商品を選ぶのではなく、独立性が保てるため、顧客が必要とする商品を提案することができるのです。
3.「IFA」と「証券会社」どちらと取引をするべき?
IFAからアドバイスを受けて金融商品を購入することは証券会社で購入する場合と比べ、どのような利点があるのでしょうか。IFAを利用して金融商品を購入することのメリットとデメリットを確認しておきましょう。
【メリット】
①独立性が保たれているため、金融機関の都合で商品を販売されることがない
先ほどもご説明した通り、独立性が保たれていて、金融機関の都合で売りたい商品を販売されることがないことがIFAの最大のメリットです。
IFAは金融機関から独立しているため、金融機関にとって有利な商品を販売する必要がありません。
②長期目線でアドバイスを受けることができる
一般的に証券会社の担当者は3年程度で転勤により変わってしまいます。当然引き継ぎは行われますが、膨大な顧客を抱える証券会社の担当者が投資の考え方や家族構成、資産背景などを伝えきることは難しいことです。
そのため、担当が変わるごとに自分の投資スタンスを正確に伝えることができないと間違ったアドバイスを受けることになってしまいます。
③あらゆる目線からのアドバイスを受けることができる
証券会社でのアドバイスは基本的に資産運用のアドバイスのみとなります。IFAは税理士や社会保険労務士を兼務していることも多く税務や年金のアドバイスを受けることも可能です。
【デメリット】
①手数料が高くなる
IFAは無償で働いている訳ではありません。対面で商品を販売していることで、提携している金融機関から報酬を受け取っています。そのため、ネット経由での取引などに比べると手数料が高くなる傾向があります。
②大手金融機関に比べると情報が遅くなる
金融商品は購入するタイミングが非常に大切です。大手金融機関は、そのネットワークを活かして営業員に様々な情報を渡すことができます。
しかし、独立性の高いIFAは大手金融機関のように膨大なネットワークを保有している訳ではないため、情報獲得のスピードが遅くなってしまいます。大手金融機関と比べると情報が遅れてしまう可能性がある点はIFAを通じて取引をするデメリットの一つです。
4.どのようなIFAを選ぶべきか
IFAとの取引を始めたい場合、どのような基準でIFAを選び、取引をすればよいのでしょうか。IFAを選ぶ基準をご紹介します。
①IFAの得意分野は何か
IFAは元々金融機関に勤めていて、独立している人がほとんどです。前の勤務先を聞けば、そのIFAの得意分野はおおよそ想像がつきます。証券会社出身であれば、株や投資信託等の投資商品。
保険会社出身であれば保険商品といった具合です。自分が主に提案を受けたい分野が得意であるかどうかはIFAを選ぶうえで重要な基準となります。
②投資のスタンスを理解してもらえるか
投資をする場合、どの程度リスクを追求するかは重要な要素です。リターンの最大化を目指すことを重視しているIFAはどうしても高リスクの商品を提案しがちです。投資に正解は無いので、自分の考え方をきちんと理解できるIFAと取引をすることが重要です。
③不動産・相続税・事業承継などの分野に強みがあるか
IFAは大手金融機関の営業員とは違い、長年に渡り取引をすることが一般的です。最初は資産運用がきっかけで取引をすることが多いようですが、年齢を重ねるうえで不動産や相続税、経営者であれば事業承継について相談できる存在は貴重です。
将来のことを見据え、不動産・相続税・事業承継に強みを持つIFAと取引をするとよいでしょう。
5.まとめ
IFAとの取引はメリットもある一方、手数料が高くなるなどのデメリットもあります。また、IFAと取引をする際はどんなIFAと取引をするかが非常に重要です。自分のIFAを選定する基準を明確にし、慎重に選ぶことをお勧めします。
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