目次
1.はじめに
ポートフォリオを構成する際の基本は、言うまでもなくリスクとリターンの特性が異なる資産クラスにバランスよく配分する分散投資です。
これを個別銘柄レベルではなく財産の種類のレベルで広く捉えると、預貯金・有価証券・不動産の3つにバランスよく分散投資することが好ましいといえます。これを財産3分法といいます。
このうち本コンテンツでは、不動産投資の有効性やデメリットについてご説明します。
2.なぜ、不動産投資を検討する価値があるのか
日本人の資産構成の特徴として、不動産のウェイトが高いことが挙げられます。しかし不動産の用途の多くは自宅や事業用としてのものであり、キャピタルゲインやインカムゲインを狙う資産運用の手段として不動産が占めるウェイトは預貯金や有価証券と比較して一般的に低い傾向があります。
つまり、預貯金や有価証券と比べて不動産投資は日本人の資産運用手段としてあまり定着していないのが現状であり、別の見方をするとポートフォリオの改善余地が残されているのです。
したがって運用資産として不動産を保有していない人・あるいは極端にウェイトが低い人は、先述した財産3分法すなわち分散投資の観点から、不動産投資を検討する価値が十分にあるのです。
3.不動産投資とは?
主な不動産投資の方法とは、区分マンションの1室から1棟のマンションやビルあるいはアパートなど収益不動産を購入し、賃料収入によるインカムゲインや良い買主が現れたら売却してキャピタルゲインを得る方法が考えられます。
不動産投資では、低い預金利息や株式の配当金と比較して相対的に高く安定したインカムゲイン、また経済環境や第三者の取得ニーズ次第で売却時のキャピタルゲインが見込めます。
4.不動産投資のメリット
4-1_分散投資効果
一般的に投資対象としての不動産のリスク特性は、預貯金がローリスク・ローリターン、株式などの有価証券投資がハイリスク・ハイリターンであるのに対し、その安定した賃料収入と資産価値からミドルリスク・ミドルリターンであると言えます。
また、株式などの有価証券投資や預貯金とのリスク・リターンの相関性も低いと考えられています。このことに、分散投資の観点からポートフォリオに不動産投資を入れる積極的な意義があるのです。
また、不動産の特徴として同じものが2つとして無く非常に個別性の強い資産であることが挙げられます。つまり、同じ不動産への投資でもテナントや場所などタイプの異なる不動産を組み合わせて投資することで分散投資によるリスク分散が可能です。
4-2_税制メリットがある
投資している不動産、すなわち賃貸不動産の相続税評価額は、以下のように計算されます。
・土地=路線価×補正率×(1-借地権割合×借家割合)
・建物=固定資産税評価額×(1-借家割合)
この結果、不動産の個別性にもよりますが、一般的に土地については時価の約30パーセントから40パーセント、建物については時価の約60パーセント程度低くなることが期待できます。つまり、同じ金額を現金や有価証券で保有していた場合と比べて相続税が安くなるのです。相続対策として不動産投資を行う人が多いのは、このような節税メリットがあるためです。
5.不動産投資のデメリット
5-1_まとまった投資金額が必要
収益不動産の購入は、株式や債券などの金融資産を購入する場合と比べて一単位あたりの投資金額は大きくなります。
したがって、金融機関からの融資で投資を行う人も多いのですが、金融機関や不動産業者選びを間違えると、社会問題となっているスルガ銀行やスマートデイズのような悪質な事件に巻き込まれかねません。
5-2_時価が不透明で、流動性が低い
不動産は個別性の高い資産という特徴から、個別不動産に対して上場株式や預貯金のような客観的な時価が存在しません。売主と買主が合意のもと契約した売買代金が、その不動産の時価といえるでしょう。しかし、この売買代金が公開されることは稀です。
また、上場株式や投資信託などと異なり、不動産は売主と買主の相対で売買するものです。したがって、物件の売買を決めてから条件交渉を行い契約・決済するまで、相応の時間を要します。これにより、何らかの事情で不動産の売却を急ぐ場合、買主に足元を見られ不当に低い価格で売却せざるを得ないことも起こり得るのです。
6.まとめ
不動産投資は、株式投資や投資信託の購入とは違った視点で臨む必要があります。その際に重要なのは、ブローカーである不動産会社の話を全て鵜呑みにするのではなく、ご自身で知識や情報を仕入れ損益バランスをシミュレーションすることです。
この他、ファイナンシャルプランナーなど客観的な専門家の意見を聞いてみることもよいでしょう。
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