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はじめに
シニア世代の起業が話題になっています。
退職後は年金を受け取りながらゆったり趣味でも楽しんで過ごすという考えもあります。
しかし近年は「経営者を退いたら別の事業を起業しよう」「退職後も起業して働き続けよう」というシニア世代が増えているというのです。
経営者などがリタイア後に起業するシニア起業の現状や、シニア起業が増えている理由についてお話しします。
リタイア後のシニア起業!本当に増えているのか
中小企業庁『中小企業白書2017』によると、60歳以上のシニア世代・リタイアメント世代の起業は増えているという結果です。
1979年のシニア世代の起業は、男性が起業数の約8%、女性が約5%でした。
起業する人が100人いれば、そのうちの8人あるいは5人がシニア世代だったということです。
しかし、時代を経ると、このシニア世代の起業数に大きな変化が表われます。
1997年になると、起業数に占めるシニア世代の割合は男性で約26%、女性で約13%になりました。
起業する人が100人いれば、そのうち男性シニア世代が26人、女性シニア世代が13人ということです。
1997年と比較すると、シニア世代で起業する人が倍以上になっていることが分かります。
2012年になると、シニア世代の起業数は男性で35%、女性で約20%になりました。
起業者が100人いれば、そのうち男性は35人、女性は20人がシニア世代だと言うことです。
シニア世代は1900年代と比較し、2000年代の方が増えていることが分かります。
シニア起業が増え続けている3つの理由
シニア世代の起業はなぜ増えているのでしょうか。
シニア世代の起業が増えている理由には、経営者や富裕層にも関係のある理由が隠れています。
自由に仕事をしたかったから起業した
経営者などは自分の会社を発展させることで精いっぱいですから「このようなことをやってみたい」と思っても、なかなかできません。
社員も、収入を得なければならないため、自分が「やってみたい」と思うことより収入を取るのではないでしょうか。
シニア世代になると住宅ローンの返済が終了し、子育てが終わっていることも珍しくありません。
「自分はこのような業種で仕事をしたかった」「自分はこのような仕事をしたかった」を叶えられるのがシニア起業です。
リタイア後に夢を叶えるためにシニア起業をするのかもしれません。
シニア起業して老後の収入を増やしたかった
シニアで起業する理由のひとつに「収入を増やしたい」という理由があります。
シニア世代に入って仕事をリタイアすると、どうしても収入が下がってしまいます。
年金収入や貯蓄は有限ですから、「趣味を楽しむためにも仕事をしたい」と思う人もいることでしょう。
シニア起業した仕事を軌道に乗せれば収入が増える可能性が高くなります。
収入を増やしたいシニア世代にとって起業は収入源という点で魅力的なわけです。
年齢や性別に関係なく社会とのつながりを楽しみたい
シニア起業をすると、起業を通じてさまざまな世代の人と交流を持てます。
シニア世代の友人や同僚はやはりシニア世代や近しい年齢が多いでしょうが、起業により新しい分野に飛び込めばその限りではありません。
シニア世代より若い起業者もいれば、新しい分野で活躍する若い人、より高齢な人、さまざまな人との出会いが待っています。
年齢や性別に限らず、シニア世代により新しい世界が拓けると言えるでしょう。
シニア起業をすれば、新しい分野での年齢や性別を問わない出会いや交流、社会とのつながりが楽しめます。
これまで経営者としてやって来た人は、個人事業主兼新米起業者、そして社員として、今までにない視点で仕事を楽しめるはずです。
まとめ
中小企業庁のデータによると、シニア世代の起業は年ごとに増えているという結果でした。
リタイアメント世代は「退職したから終わり」ではなく、「退職したから新しい仕事の扉を開いてみよう」という思考にシフトしつつあるようです。
シニア起業も富裕層や経営者の、ひとつの老後の楽しみと言えるかもしれません。