想定外の贈与税課税!?非課税財産、みなし贈与に関する注意点について解説

はじめに

財産の贈与を考える場合に、贈与税が課税されるかどうかは非常に気になるところでしょう。贈与税には年間110万円の基礎控除があることは多くの方がご存じかと思います。

それ以外に、贈与してもそもそも課税対象とならない財産があることや、贈与したつもりでなくても贈与税が課税されるケースがあることはおさえておく必要があります。

本稿では、贈与税の課税関係について、実務上、注意しておくべきポイントを解説します。

非課税と思っていたけど課税される!?

贈与税は贈与により財産を取得した個人に課される税金です。ただし、贈与により取得した財産であっても、社会福祉・経済政策面や扶養関係に関する配慮などの理由から課税されないものがあります(非課税財産)。日常生活にかかわる主な非課税財産は以下のとおりです。

① 扶養義務者から受け取った生活費、教育費
② 社交上、必要とされる香典、見舞金、お祝い、お中元・お歳暮など
③ 直系尊属から贈与された住宅取得資金
④ 直系尊属から一括贈与された教育資金
⑤ 直系尊属から一括贈与された結婚・子育て資金

①の生活費、教育費については、通常必要と認められる範囲において必要な都度、贈与する場合に非課税となります。なお、生活費などの名目で贈与された財産であっても、例えば株式の購入に充てたような場合は、課税対象となりますので注意が必要です。

②についても社会通念上相当と認められるものに限って非課税となります。常識の範囲を超える高額な贈与については課税されることになります。

③~⑤は特例で贈与税を非課税にする規定であり、適用を受けるためには所定の要件を満たす必要があります。本稿では詳細を割愛しますが、例えば④については、金融機関と教育資金管理契約を締結して、教育資金口座を開設し、払出しの際は教育資金に充当したことが分かる領収書などを金融機関に提出することが必要です。

また、贈与を受ける人の年齢は同契約の締結時点で30歳未満、非課税金額の上限は1500万円(学校等以外に支払う金額の上限は500万円)となります。

非課税と思って贈与したけど、結果的に適用要件を満たさずに贈与税が課税されるということがないようにしましょう。

贈与のつもりではなかったけど課税される!?

法律上の形式においては贈与による財産の取得ではなくても、実質的には贈与を受けたのと同様の効果が認められる場合があります。そのような場合は、贈与による取得とみなして、贈与税が課税されることになります(みなし贈与財産)。代表的なものとして以下のような例があります。
 
① 著しく安い金額で財産を譲り受けた場合(低額譲受)
② 借金の肩代わりや免除を受けた場合
③ 無利息で借入した場合
④ 保険料の負担者以外が保険金を受け取った場合

①は、例えば親が子に対して時価より著しく安い価格で土地・建物を売却した場合などです。このとき、売り手となる親に譲渡所得があれば、それに対して所得税が課税されます。また、買い手となる子には土地・建物の時価と購入金額の差額について、贈与があったものとみなされて贈与税が課税されます。

一般に贈与税の税率は高めに設定されています。そのため市場価格で売買した場合より、後日みなし贈与と認定されたときの方が、通常は親子合計の税負担は重くなりますので注意しましょう。

②について、借金の返済を他人に肩代わりしてもらった場合や、債務を免除してもらったときは、本来返済するべき債務がなくなり利益を得たことになります。このとき、返済不要となった部分について、贈与があったものとみなされて贈与税が課税されます。

③は、通常支払うべき利息に相当する金額についてみなし贈与となります。借入額が小さい場合などは大きな問題にならない場合もありますが、多額の借入を行う場合は注意する必要があります。

最後に④の保険金に関する留意点です。例えば被保険者が父、保険料支払人が母、保険金受取人が子である生命保険契約を締結していたとき、父について相続が開始すると、子が死亡保険金を受け取ります。

保険料は母が支払っているため、実質的に保険金額相当を母から贈与を受けたのと同等の経済的効果があり、みなし贈与として課税の対象となります。

ここで被保険者が父、保険料支払人が父、保険金受取人が子である生命保険の保険金はみなし相続財産となります。みなし相続財産である生命保険金については「500万円×法定相続人の数」を限度として非課税となりますが、みなし贈与財産の場合は非課税枠がありません。

よって、節税対策として生命保険の保険金により、子に資産を渡す場合は、相続時に継承するのが効果的です。

最後に

いかがでしたでしょうか。相続税を節税するつもりで行った対応が、贈与とみなされて、逆に高額な贈与税を支払うことになった、とうことにならないように慎重な対応が必要になります。

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