なぜ金融機関で勧められない?日本人が知らない債券の投資方法、魅力について解説

1.はじめに

資産運用の中心的な役割を担う「債券」。日本の公的年金の運用を担い、長期分散投資のお手本となる運用機関「GPIF」のモデルポートフォリオは国内債券35%、外国債券15%と資産の半分を債券で運用しており、債券は株式と並ぶ長期分散投資の中心的な役割を担っています。しかし、債券をどこで買えるか?の問いにはっきりと答えられない方は多いのではないでしょうか。
債券の特徴と金融機関であまり勧められない理由について解説します。

2.債券とは

債券とは国や地方公共団体、企業の資金調達手段の一つです。同じく資金調達手段の一つである株式との違いは原則満期日と利率が決まっていること。

債券はあらかじめいくら利子をつけていつ支払うかということが決まっています。そのため、ある程度リターンが予想できるので、株式に比べると安全性の高い投資対象といえます。

3.債券投資をする上で知っておきたい用語とは

債券投資をするうえで、必須となる用語を解説します。

【利払いに関する用語】

利付債:定期的に利払いがある債券。利払いが変動する「変動利付債」と利払いが固定されている「固定利付債」があります。また、利付債につく利息を「クーポン」と言います。

割引債:利払いが無く、利息相当分が割り引かれた価格で売り出され、償還時に額面金額で償還される債券です。例えば売り出し価格97円の債券を満期まで保有して100円で償還された場合、3円の利益を得ることができます。

【債券の発行時期に関する用語】

新発債:新規に発行される債券
既発債:既に発行されて市場で売買されている債券

【債券の機能に関する用語】

ストレート債:満期時償還や利息がつくなど基本的な特徴を持つ債券で、「普通社債」ともいいます。
エクイティ債:株式の性格も併せ持つ債券です。エクイティ債の代表的なものに「転換社債」があります。転換社債とは一定条件で株式に転換できる社債です。

4.債券投資のメリットとデメリット

債券投資のメリットはリスクを抑えてリターンを得ることができることです。債券の基本的な仕組みは満期日に元本と利息を受け取ることです。そのため、リスクを抑えて着実にリターンを得ることが可能です。

一方、デメリットは株式のように元本の大きな上昇は期待できないことです。株式の場合、景気底上げや新商品の開発などで企業に利益が出た場合、大きな値上がりが期待できます。しかし、債券の場合はあらかじめ決められた元本と利息を支払うのみとなります。そのため、社債を保有している企業が大きく業績を伸ばしたとしても大きな値上がり益を期待することはできません。

また、日本は日銀のマイナス金利政策導入以降、超低金利が続いていますので日本の債券投資は、利回りの面では魅力的な投資対象とはいえません。外国の債券であれば、利回りが高いものもあります。ただし、外国債券を購入する場合は、為替リスクもあります。そのため、一つの国や地域に投資をせず、様々な国や地域に分散して投資をした方がよいでしょう。

5.何故、金融機関は債券を勧めないのか

金融機関は債券型の投資信託は勧めますが、債券そのものはあまり勧めることがありません。その理由の一つが債券は金融機関の収益にはあまりならないという点があります。

金融機関の収益は株式の場合は取引時の手数料、投資信託の場合は販売時の手数料と保有期間中に手数料として差し引かれる信託報酬です。債券の場合は取引時の手数料と海外の債券の場合は為替スプレッドと呼ばれる為替手数料です。

債券は途中で売却することもできますが、満期まで持つことが多いため取引の回数は少なくなり、金融機関の売り上げも減ってしまいます。その為、金融機関は債券よりも株や投資信託を積極的に販売する傾向があります。

6.まとめ

債券投資は長期分散投資おいて代表的な投資対象です。投資信託の仕組みを利用して債券を購入する方は多くなっていますが、債券を直接金融機関で購入する方は珍しいと言ってよいでしょう。

コスト面でもメリットのある債券や株式の値上がり益も期待できる転換社債なども資産運用の選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。