株式取引のコストが削減できるSOR取引。証券取引所以外には何がある?

1.はじめに

国内の上場株式を売買する場合、日本では東京証券取引所などの取引所を通じたトレーディングが主流です。

一方で、金融機関などの適格機関投資家や一部の個人投資家の間では、ダークプールやPTSといった証券会社独自のシステムで投資家の売買注文をマッチングさせて約定するトレーディング、つまり東京証券取引所などと異なる「代替市場」を通じたトレーディングの効果的な活用が確実に進んできています。

本コンテンツでは、代替市場の概要とその有効性、効果的な活用方法などについてご説明します。

2.代替市場には何があるの?

冒頭でご紹介したダークプールとPTSが、代替市場の代表的な存在です。
その特徴として、ダークプールは取引価格や注文数量が見えにくいことから他の投資家に対する自己の手口の秘匿性が保ちやすいこと、逆にPTSは証券会社ごとに板が公表されていることから気配値や注文数量・約定価格などに通常の取引所取引と同等の透明性が確保されていることなどが挙げられます。

また、PTSは一部の個人投資家の間で翌日9時以降の取引所取引の動向を予測する上でも、有効に活用されています。
ダークプールは金融機関などの適格機関投資家に用いられており、どちらかというとPTSは個人投資家向けという考えが定着しています。

3.代替市場のメリット

代替市場でのトレードは、取引所取引よりも細かい呼値(価格の刻み幅)での売買が可能です。これにより、売りと買い注文の価格差から生じるスプレッドコストの削減が可能です。スプレッドコストは特にTOPIX100以外の中小型株銘柄で大きく、15bp超のスプレッドコストとなる銘柄では削減効果がより一層見込まれます。

また、代替市場は東京証券取引所などの取引所とは完全に分離した証券会社の私設取引所です。これにより、2018年10月9日に発生した東京証券取引所のシステム障害時でも、
証券会社が私設取引に関する機能を円滑に提供できさえすれば投資家はトレーディングが可能になるのです。
もっとも、私設取引所は証券会社がそれぞれ個々で開設している市場であるため、通常の取引所取引と比較するとどうしても板が薄くなりトレーディングの幅が狭くなってしまいます。複数の証券会社による共同の代替市場提供が待たれるところです。

4.代替市場における効果的な注文方法

代替市場でトレーディングしたとしても東京証券取引所などのような取引所より常に有利な価格で約定するものではなく、また取引所で付けている価格と同様の値動きするとは限りません。

中には取引所取引と同様に見せ板などの手口で相場の撹乱を狙う投資家も存在するわけですし、取引所の大引け後に出たニュースで代替市場での注文状況が取引所のザラ場と大きく変動することもあります。加えて先述したように取引所取引と比較した板の薄さもあり、代替市場では時として投資家にとって有利・不利を問わず取引所取引とは著しく乖離した価格で約定することもあります。

そこで、代替市場のメリットを効果的に享受するために、投資家の間では証券会社が提供するSOR(スマート・オーダー・ルーティング)による発注が多く利用されるようになっています。

SORは、発注時点で取引所・ダークプール・PTSといった複数市場の中で最も有利価格で売買できる最良執行市場を瞬時に判別し投資家からの注文を執行する注文の形態です。これにより、スプレッドコストの削減が期待できるものです。

SORは代替市場が登場した後から徐々に普及し始め、現在では指値・成り行きなど様々な執行手法にSORの活用が可能となっています。また、年々高度化もされてきており、代替市場のメリットを投資家が効果的に享受できることに寄与しています。

5.まとめ

現在、ダークプールやPTSなどの代替市場における売買シェアは全体の概ね10パーセント前後まで達しており、今後もシェア拡大は見込まれることから証券会社は代替市場に関連した多種多様なサービスの開発・投資家への提供に取り組んでいます。

今後のトレーディングに幅を持たせるために、ご自身が利用している証券会社が提供する代替市場のサービスについて、一度ご覧になってみることをお勧めします。

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